中高年男性が「健康」より将来不安を感じている事

ただし、介護業界の介護職員初任者研修を最低限必要としている事業者が多く、前述した東京しごとセンターが実施している55歳からの再就職支援講習のような公的機関による講習や、事業者などで研修機会が多く設けられている。業務はOJTで身につけられるため、多くの会社では新規で採用をされるとすぐに現場で業務を学び、即戦力になることが求められている。

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大企業を早期退職し、実際介護職へ転職をした人のなかには、収入の低下や体力的な疲労はあるものの、モチベーション高く仕事を続ける人もいる。

法人向けに仕事をしてきた人で、目の前にいる顧客に「ありがとう」といわれることにやりがいを感じられ、その日1日の仕事が終わった後には解放感を感じ、また次の日には新しい1日が始まるという日々の生活が本人の適性に合っているというケースである。

介護業界は勤め先によって再雇用や非常勤で雇用の延長ができるため、高齢になっても活躍し続けられる。「人が好き」な人のなかには、55歳くらいからのチャレンジで、天職にできる人もいるのではないだろうか。