「自分のやりたいこと」は他人に聞くのが早いワケ

僕も「タニモク」に参加しているときに、ほかの方から「三石さんは、〇〇のこと話しているときがいちばん楽しそうですね」と言われてハッとすることがありました。

これは的を射ています。いくら「楽しい」と言っていても、実は表情と一致してないことがあるものです。TWDWに取り組んでいる横石さんも、ほかの人には、ものすごく楽しそうに映るはずです。それを見つけてもらうのは、自分の軸を見つけるうえでも大事なポイントですね。

横石さんは、イベントが苦にならないとおっしゃいました。僕は、クリフトンストレングス・テストをやって、自分の得意なことと苦手なことを理解し、苦手なことは得意な人にパスするということを実践しました。

完全な企画人間で、オペレーションに回ると苦で仕方ないんです。だから割り切って、得意領域に時間を費やすようにすると、得られるものもありますし、アウトプットもよくなっていきました。

横石:一方で、「苦手だけど好き」というものが出てきたら困りますよね。僕は『自己紹介2.0』という書籍の著者でありますが、自己紹介が得意だったわけではありません。苦手意識が強かったのですが、人と出会うのが好きだったので自己紹介が上手な人たちを徹底的に研究することで苦手意識を克服することになりました。得意と苦手、好きと嫌いを意識することが重要です。

三石さんは冒頭で「タニモク」は何かを始めるときに他人の力を使う手法にもかかわらず、まずは自分自身の語りが大切だとお話しされていました。それは自己紹介においても同様で、自己理解を深めることが他者理解につながります。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、前に一歩進もうと思うのであれば、自分の奥側にひとつ入らなければなりません。

正解がない中、何をどう学ぶ?

【大人の学び方は料理に似ている】
・レシピどおりに必要な材料をそろえる(計画的な学び)
・冷蔵庫のありもの食材で作る(試行錯誤の学び)

三石:よく「AIでなくならない仕事はこれだ」という話題がありますが、みなさん何を選んで何を学べばよいのか、あまりピンとこないと思います。

学びについては、まず、自分の進む道が1つ。リンダさんは、「ありうる自己像」と表現していますが、ゴール像がなければいけません。そこに前進するために、何を習得し、インプットするか。目標がないまま闇雲に学び始めるよりは、ゴールがあったほうがいいでしょう。

もう1つ、自分の今ある資産をもとに何を伸ばそうか、という道もあります。横石さんのように、「イベントをやりたい」というものがあって、「その中でもオンラインを伸ばす」「このテーマでやる」など進めていくと、必然的に学びの機会がやってきます。

例えば、もし台湾でのイベント開催という話があれば、「台湾の人を喜ばせるには、何を学べばいいのか」という機会が出てくるわけです。ゴールを設定して学ぶか、試行錯誤しながら学ぶかは、人にもよりますね。

横石:僕の場合は、目標や目的を決めずに学ぶのが好きです。今の話ですと後者にあたりますね。成功した起業家の思考や行動を理論化した「エフェクチュエーション理論」を実践しているわけですが、三石さんはこの理論に詳しいですよね。

三石:エフェクチュエーションは、一言で言えば「わらしべ長者」です。今ある資産で、自分はこれができるというものをまずは考えます。

横石さんのように「僕は、こういうイベントがやりたいんだ」という意思を見せるのも、その1つです。すると、リンダさんにつながったように、「一緒にやらないか」「これできるんじゃない?」と連鎖反応が生まれてサービスが大きく育つことがあるのです。