もちろん私は紙の本も読む。「2000冊を上限」に所有し、月に1度の割合で入れ替えながら管理する。
その一方で電子書籍を愛用し、キンドルで購入した本は気がつけば1300冊以上になった。とくに移動中に読むのは電子書籍と決めている。キンドルのアプリをダウンロードすれば、さまざまな端末で電子書籍を読むことができるが、もっとも身近で手軽な「スマホ」をぜひ活用したい。
キンドルはどこまで本を読んだかをクラウドで管理し、パソコンやスマホ、タブレット、専用端末など、さまざまな機器で同期してくれる。それゆえ、仕事場でパソコンのキンドルアプリを起動させて画面で読み、打ち合わせに出かける電車のホームでスマホを取り出して続きを読み、電車に乗ってもそのまま読み続けるといったことが可能だ。
とくに混んでいる電車の中では、取り出しやすく場所を取らないスマホが向いている。
そもそも、集中力なんてなくても、「5分の集中」をうまく積み重ねれば、いくらだって書籍を読み進められるし、それを「知肉」に変えることができる。
たった5分でも時間が空いたら、すかさずスマホを手にすれば読書時間を生み出せる。
こうやって小刻みに、効率よくどんどん読んでいくことは非常に大切なポイントで、スキマ時間の積み重ねで、私の場合はトータルすれば1日に2時間くらいは読書にあてており、「3日で1冊」「月に10冊」。十分な読書量ではないだろうか?
「スマホ読書」で何をどう読むか。スマホに合った方法を選べば、読書の効率をさらに上げられる。
キンドルの電子書籍には試し読みできる機能がついており、それぞれの出版社の意向によるが、購入する前に本の冒頭から数十ページぐらいを読めるようにしている本は多い。
どんなに名著であっても、相性が悪ければ内容は頭に入ってこないので、あらかじめ、無料サンプルで「本との相性」を確認しておくことは、自分の「知肉」となる読書をするうえで非常に重要である。
また、「スマホ読書」には「漫画」もおすすめしたい。たとえば、ドストエフスキーの『罪と罰』など多くの人に読み継がれている名著は、漫画版も出版されていることが多い。
漫画好きな人なら、漫画のほうがストーリーがすっと頭に入ってきやすいし、登場人物が見分けやすく頭を整理しやすい。移動時間や短い時間を活用する「スマホ読書」にはぴったりなので、名著や自分の学びたいテーマの手がかりとなる漫画を電子書籍で探してみるのもよい方法である。
これは紙の本でも電子書籍でも同じだが、読書から得たものを自分の「知肉」として蓄積していくためには、本を読みっぱなしにしてはいけない。
つねに「この本はどのように自分の知肉になるだろうか」ということを意識しながら読んでいき、気になる文章は忘れないうちにその場でチェックする。電子書籍の場合は、画面を指でなぞるだけでハイライトできるので非常に便利だ。
大事なのは、ハイライトしただけで終わらせず、チェックした文章をメモアプリに保存することだ。
キンドルの場合、ハイライトした文章をコピペしてメモ帳などに貼りつけることはできないが、「キンドル メモとハイライト」というサイトを開くと、自分が過去にハイライトした文章を書籍別に閲覧でき、普通にコピペできてしまうので、この「裏ワザ」を使って「メモアプリ」にコピペするのである。
その際に、自分がその文章の何に感銘を受け、なぜ「保存の必要がある」と感じたのか、短い覚え書きを添えておくことも大切である。