みなさんは1日にどのくらいの時間、スマホに向き合っているだろうか?
移動中や仕事中の息抜きに、気がつけばスマホに手が伸びている、家族や恋人、友人など大切な人といるときでさえも、ついスマホを見てしまう、そんな人も多いのではないだろうか?
じっさい私は、「最近、本を読んでいても、どうも集中できない」「用もないのに、スマホを触りたくなってしまう」という悩み相談を、多くの人から非常によく受けてきた。
そういう質問を受けるたびに「集中力なんて別に必要ないですよ」「そんなものがなくても、大量のインプットとアウトプットは可能ですよ」と答えているのだが、それにも驚かれることがほとんどだ。
スマホという手軽な武器を手にしてから、私たちはますます飽きっぽく、注意散漫になり、集中力が続かなくなった。しかし、だからといってスマホを手放すことは、ほとんどの人にとってもはや不可能である。
だったら、「気が散る」「集中できない」のがスマホ時代の宿痾(しゅくあ)、現代病だと受け入れ、それを逆活用し、「集中力が続かない」という前提に立った、スマホ時代の「新しい読み方」を実践すればいいだけである。
「スマホがいつも目に入るために本が読めなくなった」と思うのなら、発想を変えて、「スマホを使って読書する方法」を実践すればいいのである。「スマホ読書」は知的生産性を上げるために、じつは非常に効果的だ。その5つの理由について解説していく。
「スマホ読書」に欠かせないのは、電子書籍である。私が愛用しているのはアマゾンの電子書籍サービス「キンドル(Kindle)」なので、キンドルを中心に説明していく。
スマホを使った知的生産術として、ウェブメディアの記事を読むという方法もある。それに加えて「書籍」がなぜ必要かというと、書籍にはウェブメディアの記事にはない利点があるからだ。
ひとことで言うと、「そのテーマについての全体像をつかみやすい」という点だ。
優れた書籍は、1冊の本の中だけで「アウトライン→視点→全体像」という流れを全部用意してくれる。それによって私たちは、「多様な視点」からテーマをさまざまに照射することで、全体像のイメージを持ち、「知肉」を育てていくことができる。
このように書籍から得られる「多様な視点」をウェブの記事だけで十分に得ることは難しいので、情報の2つの軸として「ウェブ記事」と「書籍」を必ずもっておきたい。