「スマホ読書」で頭が良くなる!5つの納得理由

「スマホ時代」の読書において必要なこととは(写真:Ran&Ran/PIXTA)
テクノロジー、政治、経済、社会、ライフスタイルなど幅広い分野の情報を発信し、日本のインターネット論壇で注目を集める佐々木俊尚氏。
「ノマドワーキング」「キュレーション」などの言葉を広めたことでも知られ、2006年には国内の著名なブロガーを選出する「アルファブロガー・アワード」も受賞している。
その佐々木氏が、このたび、『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』を上梓した。
「ネット記事」「SNS」「書籍」などから、「読むべき」記事をいかに収集し、情報を整理し、発信していくか、自身が日々実践している「新しい時代の読み方」の全ノウハウを初めて公開した1冊で、発売後たちまち4万部を超えるベストセラーになっている。
そんな佐々木氏が「『スマホ読書』で頭が良くなる5つの納得理由」について解説する。

スマホ時代に必要なのは「新しい読み方」

みなさんは1日にどのくらいの時間、スマホに向き合っているだろうか?

移動中や仕事中の息抜きに、気がつけばスマホに手が伸びている、家族や恋人、友人など大切な人といるときでさえも、ついスマホを見てしまう、そんな人も多いのではないだろうか?

『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全: 脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す!』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

じっさい私は、「最近、本を読んでいても、どうも集中できない」「用もないのに、スマホを触りたくなってしまう」という悩み相談を、多くの人から非常によく受けてきた

そういう質問を受けるたびに「集中力なんて別に必要ないですよ」「そんなものがなくても、大量のインプットとアウトプットは可能ですよ」と答えているのだが、それにも驚かれることがほとんどだ。

スマホという手軽な武器を手にしてから、私たちはますます飽きっぽく、注意散漫になり、集中力が続かなくなったしかし、だからといってスマホを手放すことは、ほとんどの人にとってもはや不可能である。

だったら、「気が散る」「集中できない」のがスマホ時代の宿痾(しゅくあ)、現代病だと受け入れ、それを逆活用し、「集中力が続かない」という前提に立った、スマホ時代の「新しい読み方」を実践すればいいだけである。

「スマホがいつも目に入るために本が読めなくなった」と思うのなら、発想を変えて、「スマホを使って読書する方法」を実践すればいいのである。「スマホ読書」は知的生産性を上げるために、じつは非常に効果的だ。その5つの理由について解説していく。

「スマホ読書」に欠かせないのは、電子書籍である。私が愛用しているのはアマゾンの電子書籍サービス「キンドル(Kindle)」なので、キンドルを中心に説明していく。

【理由1】書籍ならではの「多様な視点」が得られる

スマホを使った知的生産術として、ウェブメディアの記事を読むという方法もある。それに加えて「書籍」がなぜ必要かというと、書籍にはウェブメディアの記事にはない利点があるからだ。

ひとことで言うと、「そのテーマについての全体像をつかみやすい」という点だ。

優れた書籍は、1冊の本の中だけで「アウトライン→視点→全体像」という流れを全部用意してくれる。それによって私たちは、「多様な視点」からテーマをさまざまに照射することで、全体像のイメージを持ち、「知肉」を育てていくことができる

このように書籍から得られる「多様な視点」をウェブの記事だけで十分に得ることは難しいので、情報の2つの軸として「ウェブ記事」と「書籍」を必ずもっておきたい