リクルートには、WCM(Will-Can-Must)という考え方があります。リーダーは、メンバーのWill(やりたいこと)とCan(できること)を把握して、会社が求めるMust(やらなければいけないこと)をつなぐという考え方です。
人はやりたいことをやるときに成果を出す。つまり、WillとMustをつなぐことが重要だと考えているのです。
また、人はできることが増えるのは嬉しい。そしてできるようになると、それがやりたいことになる。つまりCanがWillに変わる考え方でもあります。
このWCMには、汎用性が比較的あります。
これを踏まえて、リーダーがメンバーに仕事を割り振る際に有効なツールを3つ紹介したいと思います。
これを活用して、事前準備でメンバーの仕事の割り振りができれば、PM(プロジェクトマネジメント:仕事の段取り)としては完璧です。それぞれのポイントを説明しましょう。
① MAT:業務を誰に割り振るかの原案を考えるツール
MAT(Mission Assignment Tool)は、私が考案したツールで、頭文字を取って、マットと呼んでいます。ここでの“Mission”とは、メンバーが担当する業務、前述したWCMシートでの会社から与えられた仕事であるMust(やらなければいけないこと)を指します。
MATは、組織の業務(ミッション)設計をするためのツールです。業務設計というと難しそうですが、エクセルやスプレッドシートで作るシンプルな表です。シンプルなのに活用しやすいパワフルなツールなのです。
具体的なMATの作成方法は、次の3ステップです。
この業務シェアは、担当するチームメンバー それぞれの工数(労働時間)全体を100%とした場合、 そのミッションに何%を使う計画なのかという割合を記載します。メンバーの顔を思い浮かべてWill(やりたいこと)とCan(できること)を意識しながら誰に担当してもらうのかをイメージしながら作成します。
「この業務をチャレンジしてもらおう」など、少し背伸びしないと実現できない業務を与えるのが重要です。
●MATの効果1 業務ごとに必要な工数、スキルを確認し、見える化できる