怒りっぽい人が「人生で大損する」納得の理由5つ

ネガティブな感情をうまく整理するにはどうしたらいいでしょうか(イラスト:Jam)
「腹が立って、相手の意見に従えない」「イライラして、なにも手につかない」。ネガティブな感情に振り回されることは、だれでもあるもの。しかし、人生がうまくいくか、いかないかは「感情次第」といっても、過言ではありません。
人生をうまく進めていく人の共通点は、こうした自分の感情と現実との折り合いをつけるのが、うまいこと。本気で「自分の目標を叶えたい」「いい人生を送りたい」と考えたときに、自分のネガティブな感情を整理していくことは、どうしても不可欠なのです。
どんな仕事のスキルや成功哲学を学ぶより、自分の感情との付き合い方は、人生において重要なスキルといっていいでしょう。では、どうすれば感情の整理ができるのか? 『まんがでわかる 感情の整理ができる人は、うまくいく』を書いた作家の有川真由美さんと漫画家のJamさんが解説します。

怒りを抱えて過ごすのはしんどい

まず「怒り」についてお話ししたいのは、世間では怒っている人が、なぜか増えていると思えてならないからです。怒りっぽい人は、人生で大損をしています。

たとえば、上司に侮辱的な言葉を浴びせられ、激しく腹が立ったとしましょう。上司の顔を見るのも嫌になります。会社にいる間ムカムカして、家に帰ってやけ食いをしているうちに、「そういえば、上司はこの前も……」と別の怒りを反すうして、さらに怒りが増してくる……。こんな怒りを抱えて過ごすのは、さぞかし、しんどいことでしょう。

でも、こうなる途中で、ぜひとも気づいてほしい。腹を立てたとしても、一銭の得にもならないということに。これは、自分の問題ではなく、相手の問題なのです。

これ以上、相手のために時間を使うのは、やめにしましょう。怒っている暇があるなら、もっと面白いテレビ番組でも見て過ごすか、気の合う友だちと恋の話でもして、楽しく笑って過ごすほうが、ずっとマシ。

1分1秒でも、相手のことを考えずに過ごしたほうがいいと思いませんか? 私たちは、できるだけ、いい気分で過ごし、幸せな時間を持ちたいと思っているはず。怒っている間は、幸せを感じる力を失っています。限りある時間を大切にしたいと思うなら、無意味な怒りの感情を追い出す必要があるのです。怒りを反すうしそうなときは、「怒ったら負け」とつぶやきましょう。

怒ることはエネルギーの「無駄」

(イラスト:Jam)

怒ると損をする1番目の理由は、単純に時間の無駄だから。怒ることで時間を浪費し、自分で自分を苦しめているのですから。そして、2番目の理由は、エネルギーの無駄だからです。

負の感情は整理できないと、マイナスの方向にエネルギーが使われるのです。怒るとエネルギーを消耗するのは、だれもが実感することではないでしょうか。カーッと怒って反論するとヘトヘトになるし、ぐっと我慢しても、言いようのない疲労感に襲われます。

怒りの感情が整理できないままだと、エネルギーの消耗が続いてしまうのです。「怒り」というマイナスの感情は、“壊す”エネルギーだといわれます。世の中がすべて自分の思いどおりになれば怒ることもないのでしょうが、どうにもならないことが多いので、「怒り」になります。

怒りが爆発して、このエネルギーが人に向けられると、相手を傷つけたり、害したりすることになります。世の中の事件は、ほとんど怒りが原因。戦争まで起こしてしまうから、怒りとは本当に恐ろしいものです。

さらに悪いことに、怒りのエネルギーは、自分までも、むしばんでしまいます。手に負えない怒りを抱えてしまうと、精神と体を壊すことがあります。いつもイライラしたり、落ち込んだり、やる気をなくしたりするだけでなく、ひどいときは、不眠やうつ、胃潰瘍、高血圧など病気になることも。