怒りっぽい人が「人生で大損する」納得の理由5つ

「はらわたが煮え返る」と言いますが、激怒すると、内臓への影響もあるとか。生きる力さえ奪うこともあるのですから、あぁ、怒りって怖い……。

反対に、「喜び」というプラスの感情は、“作る”エネルギーといわれます。現実を肯定し、愛情を感じながら、いろいろなものを作っていきます。家族、仕事、恋愛、人間関係、遊び、学び、生活……すべてにおいて、喜びがあるからやっていける。多くの障害や苦労があっても、喜びが点在しているから、乗り越え、作り上げていけるのです。

“作る”と“壊す”はセットになっていて、喜びで作られたものを、怒りは次々にぶち壊していきます。建設的に、何かを創造したり、育んでいったりする努力を、怒りは台無しにしてしまいます。

怒りのせいで「大切なもの」を失くすことも

怒りとは、「~するべき」という理想と、目の前の現実にギャップが生じたときに生まれるもの。家族を大切に思っているのについ怒って自己嫌悪になってしまう、せっかく努力して手に入れた仕事なのに会社の理不尽さが我慢できずに辞めてしまう、周りから慕われていたのにキレて信頼をなくしてしまうなど、自制心が働かないために、大切なものをなくすことがあります。

怒って得することは、ほとんどありません。唯一、得になるケースは、怒りが現状を変えたり、成長したりするエネルギーに換えられたときでしょう。

お金でいうと、喜びは“貯金”で、怒りは“借金”のようなものでしょうか。長きにわたって仕事や人間関係がうまくいっている人は、自ら多くの喜びを生み出しています。できるだけ怒りを生じさせず、怒りがわいても早めに片づける習慣を持っています。

あなたは、自分の人生で、貯金と借金、どちらを選択したいと思いますか? 私たちの大切な人生を、喜びで作り上げていくと、決断しようではありませんか。

怒りというのは興奮して表に出すと、さらに増してくるという特徴があります。冷静になると、「あんなこと言わなきゃよかった」などと大きく後悔。どうして、こんなに感情的になってしまうのか。

怒りの正体は、自分を守ろうとする「防衛本能」だといわれます。私たちは、自分が損害を被ると感じたとき、一気に戦闘モードになって、敵対する相手を、攻撃しようとしてしまうのです。

感情的になっているときは、自分を守りたい一心で、ほかのことが見えなくなります。だから感情に任せて発言したり、行動したりしないのが賢明な選択。とくに、大事な決断や相手を陥れるようなコメントは避けたほうがいいでしょう。感情的に言っても説得力がないし、自分で自分の首を絞めることになりかねません。

それに、自分を守るための怒りであっても、人を攻撃することで、さらに敵をつくることになってしまう。ここは、ぐっとこらえたほうが得策です。心が乱れているときは、何もしないで、やりすごせばいいのです。落ち着くのを待って、どうしたらいいか考えましょう。必ず、もっといい作戦が見つかるはずです。

自分の正当性を主張するより、ストレスを最小限にして、うまくものごとを進めるほうが先決。次の展開は、あなたが予想できないほど、ベストなものになりますから。

怒るよりまず「相手の話」を聞いてみる

(イラスト:Jam)

誰だって、自分のことをわかってほしいと思っています。でも、自分のことばかり主張している人は、嫌い。怒って、自分のことを否定する人は、大嫌い。反対に、自分の話を聞いてくれる人は、大好き。自分のことをわかってくれる人のことは、だれもが認めようと思うもの。そんな人の話は、聞こうという態勢になり、相互理解が生まれます。

当たり前なのに、なかなかわかっていないことですが、どちらかが一方的に理解してくれるというアンバランスな人間関係は、成り立たないのです。本気で「自分の気持ちを伝えたい」「わかり合いたい」と思うなら、まずは冷静に相手の話をよく聞いて、相手の立場から、考えてみること。