例えば、子どもの保護者会などで、最初の人が、「最寄りの駅は□□です」「子どもの部活は〇〇です」と始めると、後から続ける人も必ず同じパターンになりがち。自己紹介の「同調圧力」。これも「あるある」ではないでしょうか。
日本人の場合、「変に目立ちたくない」という意識も働きがちですが、転職や就活、新しい職場での第一歩となる「自己PR」の場面で埋没してしまうのももったいない。
では、どうすればいいのか。「あなたの強み」を強力にアピールする「3つの鉄板ルール」をお教えしましょう。
1つめは、「『与えられたもの』より『与えるもの』を示す」ことです。
【秘訣1】「与えられたもの」より「与えるもの」を示す
「部署名」や「肩書」などは社内の人たちにとっては意味があっても、社外の人には何のことやらさっぱりわかりません。昔務めていた会社で、「〇〇〇〇〇局〇〇〇〇部〇〇〇〇部兼務シニアコンサルタント」と肩書だけで、4行もある名刺を持たされ、相手に渡すたびに、「わかりにくくてすみません」と謝っていました。
また、「家庭教師先」の企業幹部の中には、プレゼンの自己紹介スライドで、7行ぐらいにわたって、過去の肩書を並べ、その変遷史を披露する人もいます。
しかし、これはあなたが会社から「与えられた」、相手にとっては意味不明の「記号」でしかありません。それよりも、自己PRになるような自己紹介では、あなたが相手に「与える」ことができるものを示してあげるべきなのです。
例えば、相手の役に立つであろう「自分の強み」「スキル」「相手にとってのメリット」などといったものを意味します。
このほうが聞き手はぐんと引きつけられますよね。
あるIT関連会社の部長は、最初「セキュリティーサービス部の部長です」と自己紹介をしていました。「もっと『聞き手のメリット』が見える形で自己紹介しましょう」とアドバイスしたところ、こんなふうに変わりました。
どうでしょう。具体的で、ぐっと身近になりませんか。
「退屈な言葉の羅列」で終わらせるのではなく、あなたの「経験」や「知見」を「相手の興味・関心」に結びつけることがカギというわけです。
2つめは、「相手に興味を持ってもらえる『自分見出し』を作る」ことです。
【秘訣2】「私は何者か」を一言で表す「自分見出し」を作る
自己紹介に欠かせないのは、「私は〇〇です」の〇〇に当たる部分、つまり一言で「私は何者か」を簡潔に説明する言葉です。
ここでのポイントは、説明の基本は「『幹』→『枝』→『葉』」という順番を守ること。
ありがちなのは、前記の「自己紹介あるある」の①②のように、経歴や趣味など具体的で詳しい「枝葉の部分」から始めてしまうことです。
言いたいことの最も「幹」となるもの、「自分は何者なのか」という結論を最初に言い切ってから、「細かい枝葉」の具体例に持っていくほうが、聞き手には圧倒的にわかりやすいのです。
新聞や雑誌では、見出しを見て、中身を読み出しますよね。いかに魅力的で相手に興味を持ってもらえる「自分見出し」を打ち出せるかが自己PRの肝といってもいいでしょう。できれば、味気ない紹介ではなく、「インパクト」と「具体性」のある言葉にしていきましょう。