プレゼン「人前で緊張しない」簡単すぎる3秘訣

人前で話すときに緊張しないようにする秘訣とは何でしょうか?(写真:xiangtao/PIXTA)
日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。
たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。
その岡本氏が、全メソッドを初公開した『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』は発売後、たちまち12万部を突破するベストセラーになっている。
コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「プレゼンやスピーチなど『人前で話すときに緊張しない』3大秘策」について解説する。

「世界中を魅了するスピーチ誕生」の陰には苦労があった

1月20日に行われたアメリカ大統領の就任式で、バイデン新大統領と同様に、いえ、それ以上に注目を集めた人がいました。弱冠22歳の女性詩人アマンダ・ゴードンさんです。

ひまわりのような鮮やかな黄色のコートに身を包み、「The Hill We Climb(わたしたちの登る丘)」と題された自作の詩を朗々と詠じ、全世界を感動で包みました。

私たちはこの国と時代の継承者
ここでは奴隷の子孫で
シングルマザーに育てられた、やせっぽちの黒人少女も
大統領になることを夢見ることができる
気づけば彼女は今
その大統領のために詩を読んでいる

私たちはお互いに腕(arms)を組みあうために、武器(arms)を下ろす

「対句」「対比」「韻」「比喩」など数々のレトリックを駆使した美しい詩自体もさながら、その「恍惚とした表情」「指先で魔法をかけていくようなジェスチャー」に、あっという間に魅了されるはずです。

『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

手振りや動作は詩の内容とぴったりと息をそろえており、振る舞いは実に演劇的

ネット上には彼女のこれまでのスピーチや詩の動画がたくさんあります。

ミュージカル「ライオンキング」のオーディションを受けたときの経験談を面白おかしくステージ上で語るなど、「人前で話す機会」を重ねて、その表現力を磨いてきたことがわかります

今回は、彼女の話し方をヒントに、プレゼンやスピーチなど「人前で話すときに緊張しない」秘訣を紹介します。

話題を呼んだアマンダ・ゴードンさんのスピーチは、こちらでご覧いただけます(新英語教育研究会)

「話し方の天才」に見える彼女も、実は20歳ぐらいまで発音で「ある苦労」があったそうです。それは、「R」の発音ができないといった言語障害があったこと

いまでは見事に克服した努力の人なのですが、本番前には必ず「緊張を和らげるおまじない」を唱えるそうです。それは以下のような内容です。

「私は、黒人の物書きたちの娘。鎖を解き放し、世界を変えた自由の戦士である彼らの血を引く。彼らが私を呼んでいる」
(I am the daughter of Black writers. We are descended from freedom fighters who broke through chains and changed the world. They call me.)