──最後に、ポストコロナ時代において、個人のキャリアプランはどう変わっていくと思いますか。
三浦:今後キャリアは、“ヒエラルキーからコミュニティへ”と大きくシフトしていくというのが僕の見立てです。組織を縦に出世する意味がどんどん薄くなってゆき、横にコミュニティを広げていくことに、つまり複数の組織で信頼されることが大きな価値を持つようになります。
複数のコミュニティで評価される人ほど生存戦略において強い。そんなクロスボーダーな時代にはとくに、ABCのどれかではなく「そもそもDはないんだっけ?」と起点となる問いから立てられるクリエイティブな力が役立ちます。ある業界の1つのルールにこだわらず、前提を疑って新しいルールをつくったり、別のジャンルに応用したりするクリエイティビティこそ、これからのキャリアを一層豊かにしてくれるでしょう。
クリエイティブな思考はキャリア観そのものも広げてくれます。福岡で局長か東京で部長かではなく、実家の農業にこれまでやってきた仕事のノウハウを持ち込むとか、地方で後進を育てるとか、幸福と仕事の形というものに対してもっと柔軟な視点で、裸で向き合えるようにもなると思います。