東大生が見た「地頭が良い人の親」に共通の特徴

「勉強しなさい!」と言うかわりに、子どもが小さいときから「あること」を続けているそうです(写真:studio-sonic/PIXTA)
「『自分の頭で考える』って、どういうことなんだろう?」「頭が良い人とバカな自分は、いったいどこが違うんだろう?」
偏差値35から東大を目指して必死に勉強しているのに、まったく成績が上がらず2浪してしまった西岡壱誠氏。彼はずっとそう思い悩み、東大に受かった友人たちに「恥を忍んで」勉強法や思考法を聞いて回ったといいます。
「東大生は『生まれつきの頭の良さ』以前に、『頭の使い方』が根本的に違いました。その『頭の使い方』を真似した結果、成績は急上昇し、僕も東大に合格することができたのです」
頭の良い人は、頭をどう使っているのか? 「自分の頭で考える」とは、どういうことなのか? 「頭の良い人」になるためには、どうすればいいのか? 
そんな疑問に答える新刊『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』が発売18日で7万部のベストセラーとなった西岡氏に、「地頭が良い人の親」が共通して心がけていたことを解説してもらいました。

「親に『勉強しろ』とは言われなかった」東大生の真実

「東大生の親って、すごく教育熱心なんだろうなぁ」

そうお考えの人は多いと思います。

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やっぱり東大生を育てるとなれば、小さいころから「この問題はこう解くのよ!」とずっと勉強を教えて、勉強していなかったら「遊んでないで机に向かいなさい!」と叱るような、教育熱心な親御さんが多い……そんなイメージがありますよね。

でも実は、東大生とその親御さんを取材させていただいた結果、そういう親御さんはむしろ少ないということがわかりました。

もちろん教育に関心があって、お子さんに対して深い愛情を持って接している親御さんが多かったのですが、東大生に聞くと「勉強しろと言われたことはなかった」「親から勉強を教えてもらったことは一度もない」と語る学生が多かったのです。

では、彼ら彼女らは親から勉強しろと言われなくても勉強する「生まれつきのいい子」だったのでしょうか。実はまったく違います

ここには、「勉強しろ」と言わなくても子どもに勉強させて、子どもの思考力を向上させた、親御さんのちょっとした工夫がありました。今日は東大生の頭脳をつくった「親のちょっとした習慣」をご紹介させてください。

結論からお話しすると、東大生の親御さんは、お子さんに対して積極的に「質問」をするのだそうです。

「教える」の前後に「質問」を挟み込む

例えば何かを教えるとき、「この問題はこう解くんだよ」と教えるのではなく「この問題、どうやって解くと思う? ヒントはこれだよ」と一度質問を挟みます。こうすることで、子どもにしっかりと考えさせて、答えを「自分で導ける」ように誘導するのです。

または、「この花の名前は『ヘビイチゴ』だよ」ではなく、「この花の名前は『ヘビイチゴ』っていうんだけど、蛇と苺なんて不思議だよね。何でヘビイチゴっていうんだと思う?」と、ただ教えるだけではなく、名前の由来や理由を質問し、「考えさせる」ことを習慣にしているのです。

一方的に何かを教わっても、頭には入ってきません。しかし考える習慣があれば、子どもは「どうしてだろう?」と考えることが楽しくなり、格段に頭に入って来やすくなります