歴史が苦手な人は学ぶ面白さの本質を知らない

尾原:そうですね。

『ネットビジネス進化論』(NHK出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

出口:では、滅んでいったところは改革をしなかったのかとか、世の中の動きを知らなかったのかといえば、そんなことはありません。丁寧に見ていくと、世の中の動きをきちんと理解して改革はしているのです。ただ、そのスピードが遅い。何もしなかったから滅んでいくんじゃなくて、一所懸命アヒルの水かきをするんだけれど、世界のスピードに取り残されて滅んでいく場合がほとんどです。

尾原:それ以前の環境に適応しすぎて、環境が激変したときについていけず絶滅してしまった恐竜みたいなものですよね。あと、サイバーエージェントの藤田晋さんが「スケールデメリット」という言葉を使っていますが、図体が大きくなると、どうしても速度が遅くなる。だからこそ、彼は技術に疎くても時にCTOになりゲームを牽引し、いまはAbemaというTVのオンラインへの進化にコミットする。世界の進化速度はどんどん速くなる中、経営者こそが世界のスピードに取り残されないようコミットし続けているわけですね。

(構成:田中 幸宏、第2回に続く、近日公開予定)