(外部配信先では図表やグラフを全部閲覧できない場合があるので、その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
だが、「AI・ブロックチェーン失業」エリアは、まだましなのだそうだ。資格保有者(税理士、教員、薬剤師など)が多く、もとから賃金が中流以上。しかも日本は既得権が異常に守られる社会であるため、急に変革されることはないからだ。
「ロボティクス失業」エリアは、現時点で最大規模の働き手を擁し、日本の中間層を形成している領域。国勢調査では「使用人として、店舗で商品の販売の仕事に従事するもの」と定義されており、具体的には販売員(販売店)、百貨店販売員、菓子販売人、呉服販売員、ガソリン給油人、コンビニ販売員、販売店レジスター係、カウンターパーソンなどが挙げられている。
これまでは中位の報酬水準で安定していたものの、既得権に守られない職業が多く、下落スピードは速い。賃金は「中位下降&失業」。
各方面においてこうした状況になっているからこそ、「明確に手に職がつく仕事」で経験を積むべきだということだ。
一方、右側の「人間に残る職業」のなかには「手先ジョブ」がある。技能集約的で、人間の強みがあるものの、顧客からすれば人間でも機械でもどちらでもよく、技術的に機械化が不可能だからこそ人間の業務として永遠に残り続けるもの。
このエリアのうち、低スキルの仕事には、外国人労働者を受け入れている全14業種(農業、建設業、宿泊業、外食業……)のうち介護を除く13業種がまるまる入る。高度な日本語は使われず、人手を使ってしかできない類の仕事だ。
こうした手先ジョブは就業人口が多かったものの(26.8%、1577万人)、さらに増えたあとでニーズが減っていくとなれば、時給もほぼ底辺にへばりついてしまう。学生のアルバイトや一時的なつなぎとしてはいいかもしれないが、何年もどっぷり浸かってしまうのは危険だということだ。
言うまでもなく、スキルの蓄積が一切見込めない(人間なら誰でもできる)からだ。長期的に続けてしまうと、蟻地獄のように抜けられなくなってしまうのである。したがって、ほかのエリアへと早期にシフトすべきだと渡邉氏は警鐘を鳴らしている。
「職人プレミアム」の職業は、人間にしかできないものなので、雇用の安定度は高い。例えば、最も人数が多いのは料理人(183万人)だ。
調理人といっても、自動製造機を導入したチェーン店などのそれとは話が別。バリューがあるのは、手間をかけて工程を重ねていく古来の料理人の仕事である。とくに食材が四季によって大きく変わる日本において、それはまさに人間にしかできない作業。客がそこにプレミアム(付加価値)を感じ、お金を払い続けるという仕組みだ。