2022年、盤石といえる強さでセ・リーグ2制覇を果たした髙津ヤクルト。主力、ベテラン、若手がそれぞれの役割を果たし、まさにチーム一丸となって勝利をもぎとった。
追われる立場の今シーズン、髙津監督はどんなビジョンを持ち、ここからどのようにチームを進化させていくのか。本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、髙津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。
(インタビュアー:長谷川晶一)
――ペナントレースも半分を折り返しました。7月は4連勝から始まり、これまでと比べると投打の歯車も噛み合ってきているように見えます。少しずつ復調傾向が見られているのでしょうか?
髙津 (7月4~6日の)横浜スタジアムでのベイスターズ戦は、6日は敗れてしまったけど、“みんなで粘って何とかしよう”という気持ちが最後、勝ちにつながりました。踏ん張るところと、一気にいくところと、粘るところと、すごくよくできたゲームだったと思います。ああいう雰囲気を作って、“さあ追いかけていくぞ”という感じになっていけば理想的ですね。
――7月5日の試合では、延長12回、4時間37分の激闘も制しています。監督の言う「粘るところ」が存分に見られた試合でした。
髙津 粘って、粘って、みんなで“何とかしよう”という思いが勝ちにつながったと思います。この日は8投手による継投でしたけど、3番手の山本(大貴)以降の6人の投手が無失点で切り抜けた。まさに、みんなで繋いだ、みんなの勝利でした。こういう試合を一つでも多く作っていくこと。それが今、いちばん大切にしたいことです。
――一方、2日の広島東洋カープ戦では、山田哲人選手が試合途中に交代。翌3日に登録抹消。4月の離脱に続いて今季二度目のリタイアという不安材料もあります。
髙津 ちょっと、「足が痛い」ということなので、大事をとってファームに行ってもらうことにしました。哲人がいないのはもちろんチームにとっては痛いですけど、それをみんなで補っていくことが大切だし、そうしなければいけないと思っています。
――ファームでは奥川恭伸投手が順調な回復を見せていたものの、4日の練習中に左足首を捻挫。復帰プランがまた白紙に戻ってしまいました。
髙津 僕としても、彼が戻ってくることを楽しみにしていました。「よし、いけるだろう」という万全の状態になったら一軍に呼ぶつもりでしたけど、元々、「いつまでに一軍に」というリミットを設けているわけではないので、改めて万全の状態になるまで、じっくりと調整して戻ってきてほしいと思います。