――7月2日の広島戦では、9回表にフェンスに激突しながら捕球した、レフト・内山壮真選手の大ファインプレーがありました。本職のキャッチャーだけではなく、レフトを守り、交流戦ではセンターまで守りました。彼の奮闘については、どのように見ていますか?
髙津 あのプレーは本当にやばいね(笑)。びっくりしました。一塁側ベンチから見ていて、「フェアゾーンに落ちそうだ、ヒットか?」と思っていたけど、するするっとよく出てきましたよね。もちろん技術があるからだとは思うけど、壮真の場合は、何をやらせても何でもできるああいうセンスを持っています。まさか、彼がレフトだけでなく、センターをやることになるとは思わなかったですよね。しかも、そつなくこなすだけでなく上手ですからね。本当にすごいと思います。
――元々は「少しでも一軍での出場機会を増やすために」という狙いで始まった捕手と外野手との「二刀流」でしたが、塩見泰隆選手が離脱している状況において、このコンバートは見事にハマりました。
髙津 キャンプの段階では「何で壮真に外野の練習をさせるのか?」と思った人もいたと思います。でも、塩見が離脱したことで「彼に外野の練習をさせていてよかった」と思う人もいるかもしれません。僕らは常に有事の事態に備えて、「何ができるのか?」「何か策はないか?」と考えています。必ずしも、現状が理想の形とは言えないかもしれないけど、壮真の外野起用も含めて、その日のベストオーダーを組むように心がけています。
――シーズンも折り返し地点を過ぎました。過酷な戦いが続く夏場を迎えた現在の心境を教えてください。
髙津 7月19、20日にはオールスターゲームも行われます。ペナントレースもいよいよ佳境に入ります。暑い中で連戦が続くことになるけれど、僕らは勝つことだけを考えて毎日戦っていくだけです。相手に先に点を取られても、決してあきらめずにしっかり追いかける。こちらが先制すれば、さらに追加点を奪いにいく。そんな基本的なことは怠らずに戦っていきます。引き続き、「応燕」をお願いします!
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