2023ヤクルト髙津流 躍動の燕マネジメント

「みんなで繋いだ勝利」が増えてきている
「さあ、追いかけていくぞ」という気持ちで夏場を戦う

驚異的な内山壮真の技術とセンス

――7月2日の広島戦では、9回表にフェンスに激突しながら捕球した、レフト・内山壮真選手の大ファインプレーがありました。本職のキャッチャーだけではなく、レフトを守り、交流戦ではセンターまで守りました。彼の奮闘については、どのように見ていますか?

髙津 あのプレーは本当にやばいね(笑)。びっくりしました。一塁側ベンチから見ていて、「フェアゾーンに落ちそうだ、ヒットか?」と思っていたけど、するするっとよく出てきましたよね。もちろん技術があるからだとは思うけど、壮真の場合は、何をやらせても何でもできるああいうセンスを持っています。まさか、彼がレフトだけでなく、センターをやることになるとは思わなかったですよね。しかも、そつなくこなすだけでなく上手ですからね。本当にすごいと思います。

――元々は「少しでも一軍での出場機会を増やすために」という狙いで始まった捕手と外野手との「二刀流」でしたが、塩見泰隆選手が離脱している状況において、このコンバートは見事にハマりました。

髙津 キャンプの段階では「何で壮真に外野の練習をさせるのか?」と思った人もいたと思います。でも、塩見が離脱したことで「彼に外野の練習をさせていてよかった」と思う人もいるかもしれません。僕らは常に有事の事態に備えて、「何ができるのか?」「何か策はないか?」と考えています。必ずしも、現状が理想の形とは言えないかもしれないけど、壮真の外野起用も含めて、その日のベストオーダーを組むように心がけています。

――シーズンも折り返し地点を過ぎました。過酷な戦いが続く夏場を迎えた現在の心境を教えてください。

髙津 7月19、20日にはオールスターゲームも行われます。ペナントレースもいよいよ佳境に入ります。暑い中で連戦が続くことになるけれど、僕らは勝つことだけを考えて毎日戦っていくだけです。相手に先に点を取られても、決してあきらめずにしっかり追いかける。こちらが先制すれば、さらに追加点を奪いにいく。そんな基本的なことは怠らずに戦っていきます。引き続き、「応燕」をお願いします!

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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