2022年、盤石といえる強さでセ・リーグ2制覇を果たした髙津ヤクルト。主力、ベテラン、若手がそれぞれの役割を果たし、まさにチーム一丸となって勝利をもぎとった。
追われる立場の今シーズン、髙津監督はどんなビジョンを持ち、ここからどのようにチームを進化させていくのか。本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、髙津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。
(インタビュアー:長谷川晶一)
――交流戦も全日程が終了しました。なおも厳しい状況が続いていますが、現在の心境を教えてください。
髙津 心境か……。やっぱり、勝てないと気分はよくないですし、ちょっと沈みがちな気分になってしまうし……。これは、勝負の世界で生きている以上は当たり前のことではあるけれど、「勝てば嬉しいし、負ければ悔しい」、それが今の率直な気持ちです。
――故障者が続出し、主軸である山田哲人、村上宗隆両選手が本調子にほど遠い現状です。これはもう「ひたすら待つしかない」ということなのでしょうか?
髙津 うーん、まぁそうでしょうね。待つしかない、待つしかない、待つしかないでしょうね。できれば代わりとなる選手が出てきてくれて、その穴を埋めてくれるのが理想ではありますけれど、現状では「代わりになる選手がいない」とは言わないけど、スタメンと控えとの間に多少の力の差は感じます。
――監督自身の采配やマネジメント力は当然のこととして、選手補強に関する編成部門、選手の体調管理に関するトレーナー部門も含めた、チーム全体にわたる大規模な課題と言えるのではないでしょうか?
髙津 ケガ人が多いというのは、ここ数年のヤクルトの課題です。そこでほころびが出て、チームとしてうまく機能しないというのはもちろん問題ではあります。今年の1月、キャンプイン前に声を大にして、「みんなでケガを防いで、みんなが戦力として戦い抜きましょう」ということを言いました。とはいえ、ケガをするときはしてしまうのも事実です。どのチームにもケガ人はいます。ただ、ヤクルトの場合は人数も多いし、重症というのか、時間がかかる人が多いのも事実で、そこは本当に何とかしないといけないと思っています。
――そうした状況下で、監督としてできること、すべきことは何でしょう?
髙津 ケガをする前に休ませたり、軽症の段階で適切なケアをとるような指示をしたり、やるべきことはたくさんあります。でも、現状がこうなっている以上、もっとうまいやり方があったのではないかと、いろいろ反省することは多いです。