――4月30日の阪神タイガース戦では、プロ5試合目にして、ルーキーの吉村貢司郎投手が6回97球を投げて、2安打1失点という内容で待望のプロ初勝利を記録しました。吉村投手についての評価を教えてください。
髙津 開幕以来、いいピッチングは見せているけれどなかなか勝ち運に恵まれない状態が続いていました。でも、オープン戦以来「さすが社会人で経験を積んでいるな」と感じさせる堂々たる振る舞いは高く評価していました。まだまだできないこともありますけど、ルーキーとしてはできることの方が多いですし、勝てていないときでも「すぐに勝ち星がつくだろうな」と思って見ていました。
――打者との駆け引き、走者がいるときのセットポジションやクイックモーション、あるいはバント処理や牽制球などなど、ピッチング以外にもやるべきことはたくさんあると思いますが、及第点をあげてもいいという評価ですか?
髙津 さっきも言ったように、プロの世界でもっともっと成績を残していくためには、まだまだやるべきこと、覚えなければいけないことは多いですけど、現時点では十分に及第点をあげてもいいと思います。プロ初勝利の試合では、初回に3つもフォアボールを与えてしまってどうなることかと思ったけど、しっかりと0点で切り抜けることができたのがすごく大きかった。あの試合までチームは7連敗でしたから、かなりのプレッシャーもあったはず。本当にいろいろな思いが詰まったプロ初勝利だったと思います。
――今後も、貴重なローテーションの一角として頼りになる投手の誕生ですね。
髙津 プロ初勝利を挙げたことで、これからは新たな気持ちでマウンドに立つことができると思います。あとは、ペナントレースは長いので身体のことだけが心配です。年間を通じて先発するとなれば25試合前後、百何十イニングを投げることになると思うんですけど、それが可能となるかどうかは、僕らが途中で適度に休みを与える必要が出てくると思います。「年間を通じて、きちんとコンディションを整えてあげたい」という思いは、とても強く持っています。ただ、今のチーム編成では休ませてあげるのは難しい。