――監督就任依頼を受諾してから、自身の右腕となるヘッドコーチなどのコーチ陣を決める、いわゆる「組閣」についてはどのように進めていったのですか?
高津 監督を受けることを決めてから1週間から10日後くらいから具体的に動き始めました。基本的には一軍コーチに関しては自分の意見を通してもらいました。二軍に関しては球団主導の部分もありました。当初、こだわったのは「二軍で一緒にやっていたコーチを一軍に置きたい」ということでした。やっぱり、「自分の考え方をよくわかっている人が近くにいてほしい」という思いはありました。
――昨年まで、二軍で一緒だった松元ユウイチ氏は一軍の打撃コーチに、森岡良介氏は内野守備走塁コーチになりました。これは高津監督の意思だったのですね。
高津 そうです。一緒に3年間やってきた、この2人を連れて一軍に上がるというのは第一前提でしたね。その後に「ヘッドコーチをどうするか?」と考え、「宮出隆自コーチに頼みたい」とスムーズに決まっていきました。
――コーチ人事はスムーズに決まりましたか?
高津 現在、僕を含めて一軍と二軍で、全18人の首脳陣がいます。二軍コーチの配置についてはいろいろ考慮した部分もありましたけど、一軍の組閣についてはそれほど難しくはなかったです。
――投手コーチは一軍が外部招聘で斎藤隆氏、内部から石井弘寿氏が、二軍は小野寺力、松岡健一両氏が投手陣を指導します。高津監督ご自身も投手出身です。投手コーチについてはどのようにお考えですか?
高津 「投手陣が課題だ」というのは、就任前からハッキリしていたことだし、だからこそ僕に監督の声がかかったのだと思っています。そういう意味では、僕は「監督」という立場ではあるけど、「5人目の投手コーチ」であり、「ピッチングコーチの延長の監督」だという意識もあります。チームを立て直すために5人で協力していくつもりです。
――とはいえ、「監督」「コーチ」という立場、役職が不明瞭だと齟齬も起きると思います。役割分担などは、どのようにお考えですか?
高津 技術的な指導について僕は一切しないです。僕が意識するのは36名いる投手陣のマネージメントですね。技術的、体調的にどの投手がどんな状況にあるのかを理解し、練習させる、休ませる、どんな指導をするかを指示する。そうしたことに取り組んでいくつもりです。二軍の投手コーチ二人は、技術的な部分についても人としての育成についてもしっかりと指導してくれていますから、本当に安心できますし信頼も厚いですね。