2017シーズンまさかの「96敗」から、昨シーズンセリーグ2位という快進撃を見せたヤクルトスワローズ。ドン底のチームを見事立て直した小川監督は今年、「KEEP ON RISING~躍進~」をスローガンに掲げ、さらなる飛躍を目指す。本連載では2018年シーズンに続き、インタビュアーにスポーツライター長谷川晶一氏を迎え、「躍進」を成せる強いチームをつくるにはどのような采配と決断が必要なのか――小川監督へのタイムリーなインタビューを通じて組織づくりの裏側に迫っていく。
(インタビュアー:長谷川晶一)
――前回は野手陣について伺いました。そこで今回は、2019年の投手事情について伺いたいと思います。スワレス投手の故障離脱、ブキャナン投手の調整遅れなど不測の事態もありましたが、昨年までと比べると、一気に厚みを増したように思えます。
小川 そうですね。去年と比べると厚みは増したと思います。去年は小川(泰弘)も、星(知弥)も開幕に間に合わない状態だったので、石川(雅規)、ブキャナン、原(樹理)の三人ぐらいしかローテーション投手がいませんでしたからね。
――ちなみに、昨年の開幕時のローテーションは、ブキャナン、石川、由規、原、ハフ、館山昌平という並びでした。
小川 正直言えば、館山も万全の状態ではなかったし、故障明けの由規にも頼らざるを得ませんでした。でも、今年は小川、ブキャナン、原、石川、スワレス、高梨(裕稔)、高橋(奎二)、寺原(隼人)、星、そしてルーキーの清水(昇)が、先発候補として名を連ねていますから人数だけは確実に増えたと言えるでしょうね。
――監督の中ではルーキーの清水投手も先発候補の中に入っているんですね。
小川 もちろん、候補には入っています。3月16日のファーム開幕戦の先発を任せたけど、きちんと結果も残していますからね。とはいえ、清水に関してはまだローテーション候補の最有力というわけではないので、焦らずにじっくりと見極めたいと思っています。
――結果的に今年の開幕ローテーションは、開幕戦の小川投手から始まり、石川、高梨、原、高橋、そして寺原投手という並びになりました。
小川 開幕直前でブキャナンがコンディション不良になったので若干の修正は余儀なくされましたけど、今年は彼らが中心になって頑張ってほしいと思っています。気をつけなければいけないのは高橋奎二の起用法ですね。昨年はファームできっちりとローテーションを守りましたけど、まだ肩の不安があるので慎重に起用しなければなりません。今年こそ、中6日でローテーションを守ってもらえるようになれば、本当に頼りになるのですが……。