いまだ記憶に新しい2017シーズンの屈辱的な戦績。ドン底まで低迷したチームを立て直すべく舞い戻った小川監督は、宮本慎也ヘッドコーチを要に据えたチーム改革を断行した。ハードワークに見られる「厳しさ」の追求は、選手達の意識をどのように変え、チームにどんな変化をもたらしているのか――。インタビュアーにライター長谷川晶一氏を迎え、小川監督のスワローズ改革に迫っていく。
(インタビュアー:長谷川晶一)
――9月に入った頃には、勝率5割を行ったり来たりしていましたが、9月も粘り強い戦いを続けて、少しずつ貯金を殖やして2位もほぼ確定。本拠地・神宮球場でのクライマックスシリーズ(CS)開催も現実味を帯びてきました。
小川 現在、連戦の真っただ中にいますが、とにかく1戦、1戦を必死に戦っています。指揮官としては選手たちのコンディションをいかに整えるか、いかに万全の状態で臨んでもらえるかということを、常に意識しています。ペナントレースも残り数試合ですが、その思いは開幕以来ずっと変わっていません。
――96敗を喫した昨年のことを考えると、本当にここまでの戦いぶりが夢のようです。躍進の要因は何でしょうか?
小川 昨年、試合に出られなかったケガ人が戻ってきたし、今年は大きな故障もなく、コンディションがいい状態で、選手たちが試合に臨めているのが大きいですね。毎月、この連載を通じて、いろいろしゃべらせてもらっていますが、落ちそうで落ちない、そんな状態が続いていますよね(笑)。でも、今年は開幕以来掲げてきた「執念」をみんなが持ち続けているので、十分に戦えていると思っています。
――CSに進出して順調に勝ち進めば、シーズン1位通過の広島東洋カープとの対戦が待っています。今季はカープに大きく負け越していますが……。
小川 広島との対戦では、いつも「やはり、カープは強いな」と感じさせられるのは事実です。だけどその一方では、「まったく歯が立たないわけではない」という思いも感じています。でも、実際には結果に結びついていない。単純に「打つ」「捕る」「投げる」という部分では互角だと思います。あとは、どうやって勝ちに結びつけていくことができるか。今までの戦いを見ていると、あと一歩という場面で、小さなミスが出て相手に流れを渡すことになっています。その辺りはもう一度、きちんと絞め直していきたいですね。