このロケの主役は、青山さんと、もう1人おられます。それが、長命草の生産者である「与那国薬草園 株式会社」の杉本和信さん。500年以上も昔から島民が食してきた神聖な長命草を、強烈な紫外線や、黒潮から吹き上げる強烈な潮風、そしてミネラルな琉球石灰岩の土壌……長命草が自生するこれらの自然環境を栽培においても再現しようと、長命草に海水をかけるという手法を開発なさった立役者です。
杉本さんは、“兄貴”的なキャラクターが魅力的な、島の人気者です。今回の取材でお会いして、すぐに打ち解けました。初日は杉本さんのご案内で観光スポットを巡りながら、島の歴史・背景について詳しく教えていただきました。
翌日は、いよいよ畑へ。杉本さんらが手塩にかけて育てた長命草の畑はとても広く、一面青々としていて、その葉や茎は太く、強烈に大地を感じます。そして撮影スタート。長靴を履き、鎌を手にした青山さんに、長命草を収穫していただきました。青山さん、すごく楽しそう……僕もやりたい!
畑での撮影は午前中に終了し、午後は古民家の縁側で青山さんと杉本さんの対談。「国際中医薬膳師」の資格をお持ちの青山さんと、情熱を胸に20代後半から島で長命草の栽培に取り組んでおられる杉本さんの対話は、1時間以上に及びます。独自の考えを持つお二人だったためか、お話は非常に盛り上がり、楽しく、刺激的な時間となりました。
対談を見ながら、僕は非常に嬉しい思いでした。日本の食に関わる杉本さんと青山さん……この二人を引き合わせられたことが、とてもHAPPYだったのです。メインの撮影・取材が無事に終わり、先に帰京することになっていた青山さんが島を発つ前夜には、杉本さんに長命草や料理、美酒でもてなしていただき、みんなで楽しく酔いながら三線の調べに合わせて踊りました。
さて、青山さんが帰京されたあとは――島の崖っぷちに自生する長命草を見に行ったり、六畳ビーチや立神岩などの名所、それに杉本さんと同じく長命草を育てている島のおじい・おばあにお話をうかがうなど、与那国島マップでも作るかのように、島の隅々までフォトグラファーと一緒に回りました。
ずっと天候に恵まれなかったものの、この頃にはようやく太陽も顔を出し、真っ青な空・海とご対面。澄み渡る大空を眺めたり、「透明度100%なんじゃないか?」と思えるほど美しい海に入ってみたりと、撮影“後半戦”に楽しく勤しみました。
こうして、仕事ながらまるで旅行のような1週間の沖縄ロケが終了しました。帰京後、旅の思い出アルバムを作るような気持ちで、メインカットのセレクト、Webサイトの組み立て、デザイン、編集のクリエイション制作をスタート。
青山さんと杉本さんの対談は本当に中身が濃く、熱くて、素敵な仕上がりになりました。杉本さんは、たとえば「情熱大陸」など、もっともっとメディアで取り上げられるべき方だと思います。いろんな意味で与那国島を背負っておられる人です。この仕事で杉本さんに出会えて本当によかったと感じています。
その後、5月になって女性雑誌などに『長草命』ブランドの広告と与那国島レポートを掲載。自分のアイデアが形になり、世に送り出せたことを嬉しく思います。
それから約半年が経ち――この12月。『長命草』のサイト等で、以前からやってみたかった企画を実現することができました。実は、当初青山さんを起用したいと思った理由の1つが、「長命草を使ってオリジナル料理を作りたい」というものでした。長命草を材料にして、誰でも簡単に、HAPPY❤に作れる料理を提案したかったのであります。
そこで青山さんに相談し、資生堂『長命草』シリーズのパウダーを使った4品のオリジナルレシピを考案いただきました。「長命草パウダーでつくる カラダぽっかぽか料理でキレイぬっくぬく。冷えは美容の大敵です。冬は長命草入りの温かい料理でカラダを温めて!」というメッセージを込めて。
レシピは次のとおり――野菜ときのこの長命草スープ・長命草ごはんの鯛茶漬け・長命草抹茶黒糖ソイラテ・長命草白玉入りおぜんざい。パウダーを用いた、和洋の簡単メニューです。
これらのレシピの調理風景も撮影させていただきました。って、何、この撮影? どこからどう見ても「お料理番組」です。9月のある昼下がりに、青山さんのお宅にお邪魔し、材料の説明から料理工程、出来上がりまでを撮影。テーブルコーディネートは、青山さんの素敵なコレクションの中から僕がセレクトし、並べていきました。
テーブルコーディネートは大好きで、たくさんのテーブルウェアや箸置き、器にカップと、とっても楽しい。料理を、美味しく、温かく見せるには、テーブルコーディネートはすごく大切なことです。
それにしても青山さんのお料理……なんて美味しいクリエイションなことでしょう。もちろん、すべてパクパク美味しくいただきました。最後に長命草ラテを飲み干して、「ホッ」。至福の気分に包まれながら、撮影は無事に終了しました。
このときのオリジナルレシピは、サイトにてただいま公開しております。ぜひ、試してみてください。
勝手な妄想が膨らみます。この長命草レシピを今後も続けていき、いつか、1冊のブックにできたら……素敵です★★★
また、PRイベントとして、一般のお客様を招いて「長命草お料理試食イベント」も実施したいな、なんて美味しいアイデアが浮かんできます。マスコットのゆるキャラ「長命草君」も創ってみたいな~。
思えば今回、仕事で『長命草』ブランドに出会わなければ、青山さんを起用したこんなミラクルハッピーパワークリエイションの企画は絶対にカタチにできませんでした。
人生、タイミング。一期一会です。
青山さんをはじめ、クルーみんなで訪れた日本最西端の与那国島。日本は本当に美しい❤❤❤
今日も、『長命草』のタブレットを6粒飲みます。与那国島では、長命草は昔から「1株食べると1日長生きする」と言われているそうです。
元気にクリエイションクリエイション。なんくるないさ~。ゴクリといただきます。
本連載が書籍に? 資生堂アートディレクター成田久氏が、銀座一丁目の森岡書店にて「ププププレゼン力」展を開催中! 2017年12月19日(火)~28日(木)まで。詳細はこちら