cueのププププレゼン力

第17回 2016.12.14

毎日ゴクリ❤LOVE長命草

与那国島へ「長命草に会いに行きたい」!

 さて、そんな長命草が栽培されているのは日本最西端の与那国島。一体どこ? 沖縄は本島しか訪れたことがなかったので、地図で調べてみると……僕の大好きな台湾にとても近い島でした。また、あの大人気ドラマ『Dr.コトー診療所』のロケ地であることも判明しました。ドラマで観た美しい景色のあの島だったとは!

僕が暮らす東京から遠く離れたこの島で、栽培し、採った長命草で商品を作っているなんて、とてもすごいことだと思いました。

一体、どんな植物なのか? 本物を見てみたい! 触れてみたい! 食べてみたい! ……与那国島に行ってみたい!!!

そうです。島を訪れ、本物を見て、食べてみたいと興奮して、現地行きを熱望しちゃいました。その名は知っていても、おそらくほとんどの人が訪れたことのない、この日本最西端の島。ならば、現地へ飛び、長命草に触れ、生産者に会ってお話を聞いて、与那国島をレポートするちょっとした旅行記のようなものを作れたらいいなと思いつきました。そこで、『長命草に出会う 与那国島 旅』といったタイトルの企画を提案することにしたのです。

ならば ならば この方に

さて、企画は無事に通り……次は「ナビゲーター」を誰にするか、です。今回のプロモーションのターゲットは女性ですから、ナビゲーターも女性がいい。キャストとして、女優やモデルの起用も考えてみたものの、なんとなく、「“食”に近い方がいいな」と思いました。毎日おにぎりを自分で握り、お味噌汁は出汁からしっかり取る……そんな食生活を送っているような人。そして、「料理家の方に出演していただきたい!」と思いついたのです。

与那国島を訪れて、長命草を収穫し、できたら採れたて新鮮な長命草をその場で料理してほしいな……なんてウキウキワクワク美味しい妄想が広がる。いい絵が浮かんできました。この企画、ハートフルでコンセプチュアルでいいな、と。島で一生懸命この植物を育てておられる生産者の方と、東京で日々食に触れている料理家の対談もいいかもしれない。構想は膨らむばかりです。

出会いはまさにキッチンで

実はこのアイデアを立体的に考えているとき、僕の中ではすでに特定の方が浮かんでいました。メディアでも活躍されている、料理家 青山有紀さんです。

青山さんとの出会いは数年前。その日、僕は仲良しのスタイリストに招かれ、とあるクリスマスホームパーティーに参加しました。そのとき、キッチンで手際よく鳥の唐揚げを揚げていたのが青山さんだったのです。チャーミングな雰囲気の、とても感じのよい方で、もちろん唐揚げも美味しくて★★★

この日をきっかけに仲良くさせていただくようになり、青山さんの活動についても知りました。TV番組『お願い! ランキング』内の人気コーナー「美食アカデミー」に出演していること、中目黒で京都のおばんざい屋『青家』や京甘味処とお持たせの店『青家のとなり』を営むオーナーシェフであること、料理本を何冊も出版していること、さまざまな雑誌にオリジナルレシピを紹介する連載をしていること、などなど。

ちなみに『青家』では、僕の大切な大学の旧友との久々の会食を堪能させていただいたこともあります。女性が楽しめるお料理で、とても美味しい楽しい時間を体験させていただきました。

また、今回の長命草とは別の企画で、青山さんのキッチンや人となりについて取材をさせていただいたことも。このとき、彼女の食やライフスタイルについての考え方に感銘を受けたのを覚えています。もちろんお料理の撮影もさせていただいて、美味しい、満腹な1日でした。また食べたい★★★

そんなわけで、食・ライフスタイルを通じて女性から高い共感を得ている青山さんに、「ぜひ長命草に会いに、与那国島を訪れていただきたい」と依頼しちゃいました。

いざ! 日本最西端に飛んで

青山さんからOKのお返事をいただき、一緒に与那国島へと飛んだのは今年の3月でした。長命草が1番青々と育つのがこの時期で、収穫のタイミングに合わせたかったからです。小規模な撮影チームを組み、一路与那国島へ。

羽田空港→石垣空港→与那国島、と飛行機はどんどん小型になっていきます。与那国島の空港はとてもこぢんまりとしていて、まるで地方の小さな駅。可愛いです。島自体ももちろん小さく、車だと1周するのに1時間もかかりません。信号機は島に2つのみ。本当にのどかな、日本最西端の島です。

「あの青い空はどこ?」島に到着してまず思ったことです。僕は晴れ男なのですが、残念なことにこの日は天候に恵まれず、空はどんよりと雲っています。「太陽よ、CONE ON!」と祈りつつ、与那国島取材ロケがスタートしました。

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プロフィール

成田 久
成田 久

アートディレクター・アーティスト。1970年生まれ。多摩美術大学・東京藝術大学大学院修了し、1999年に資生堂入社。宣伝・デザイン部に所属。アネッサのCMで蛯原友里を起用し、楽曲にBONNIE PINK「A Perfect Sky」を使用したことで一躍話題に。そのほかマシェリやマキアージュ、ベネフィーク、HAKU、インテグレート、unoなど多彩なブランドのアートディレクションを担当。更にTSUBAKIで初めて男性キャストとして福山雅治を起用するなど、資生堂商品のブランディングに大きく貢献する。
社外活動では13年NHK大河ドラマ「八重の桜」のイメージポスターのアートディレクションを担当するほか、多数のアーティストのCDジャケットやMVのアートディレクション等を手掛ける。更に雑誌「装苑」にて演劇レビューを連載するなど活動範囲は留まるところを知らない。

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