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カリスマVライバー沙門(サモン)に憧れて、バーチャルストリーマープロジェクト『テイル・オブ・フィアラル』の裏方としてローンチに関わっていた永戸 遍(ながと あまね)は、デビュー直前に契約タレントが失踪し、やむにやまれずヤケクソで女声を出して代役を務めたところ、何故か初配信で大バズ。
後に引けなくなってしまい、思いがけない形でバーチャルエンターテイメントの世界に足を踏み入れることとなったしがない動画・音楽クリエイターだ。
新規プロジェクトのスタートダッシュとして、この大バズを利用しない手はない、という同僚兼友人の懇願により、仕方なく女性V『レイネ・モスコミュール』として配信活動を本格始動させ、幸か不幸か、そのままどっぷりハマってしまって、今に至る。
さて、サブスク10万人というグループ初の快挙を達成し、『TOF』の他メンバーも次々と収益化を果たし始めたころのこと。遂に遍扮するレイネは、人生を変えてくれた推しである沙門くんからお誘いをもらい、流行のFPSゲームでコラボ配信をする運びとなった。
まさに我が世の春、すっかり舞い上がっていた遍だったが、待望のコラボ配信を翌日に控えた夜のこと、ウキウキで事前打ち合わせのディスコに入ると、沙門くんの相方としてコンビで人気を博している人気ストリーマー、コウガが居座っていた。
沙門くんから事前に謝罪がありつつ、急遽、コラボにコウガも参加したいと打診があったとのことで、よければどうか、と提案され、遍は断ることができず、コウガの押しの強さもあり、泣く泣く了承してしまう。
せっかくのサシコラボを邪魔されて内心コウガへの印象は良いものとは言えなかったが、いざ一緒にゲームしてみれば、妙に息が合って多くの見せ場を作ることができた。
それがきっかけでコウガともよく配信で絡むようになり、仲良くなっていくのだが、ある時、配信外のディスコで取り留めもなく話していたところ、コウガに男声の地声がバレてしまうことに。
ついパニックになってディスコから抜け、どう誤魔化せばいいかと考えていれば、ふいにインターホンが鳴る。
フラフラ向かうと、玄関先に立っていたのは、さっきまでディスコで話していたコウガで――――――――。
注意 この物語はフィクションです。登場する人物・団体等、実在のものとは一切関係ありません。
文字数 206,894
最終更新日 2024.11.21
登録日 2024.10.15
第二性トラブル専門の弁護士として、世間の不条理と立ち向かうことをモットーとするΩ弁護士、雨川 文海(うかわあやみ)には、忘れられない高校の同級生がいる。
その同級生は今や、若手では他に類を見ない大人気俳優、箕面 羽留(みのお はる)として、世間から絶大な支持を得ている有名芸能人だ。
随分と遠いところに行ってしまった、と、あらゆるメディアでその姿を目にしては、誇らしいような寂しいような、そんな感慨を抱きつつ、彼の活躍を励みに、日々弁護士としての依頼に全力で取り組む毎日を送っていた。
そんな最中、フェロモンハラスメントの加害者Ωから依頼を受けて示談交渉へ向かった文海は、思いがけず、件の羽留と再会することになる。
弁護士として登録している名前は本名ではなかったので、他人のフリをして名刺を渡し、その場を乗り切った文海。応援している元同級生ではあるが、その実、羽留とは浅からぬ因縁があるのだ。
同級生として合わせる顔がないと思っている文海。
何せ、羽留の実家である箕面家は由緒正しい芸能一族であり、優秀かつ高名なαを輩出する家系として有名なのだ。
その上、芸の道を極める上でその邪念が妨げになるとして、Ωを嫌厭するきらいがあることでも有名で、芸能界においても、羽留を第二性平等参画キャンペーンの広告塔に使ってはならないと言った暗黙の了解があるとかないとか、そんな話さえある。
Ωであり、なおかつΩ事案には破格の値段で依頼を受ける弁護士である自分が、そんな羽留と接触するのは、なにかにつけてリスクが高い。
しかし、依頼を完了させ次第逃げるように退散しようとした文海を、羽留はもの言いたげに引き留め、連絡してくれと言って、電話番号の走り書きが記された端紙を握らせてきた。
大困惑しつつ、その紙はシュレッダーにかけて忘れようとしたが、今度は教えてもいない個人用の電話番号に羽留から電話がかかってきて――――――――?
文字数 5,827
最終更新日 2024.10.31
登録日 2024.10.31
傾国のΩと呼ばれた伯爵令息、リシャール・ロスフィードは、最愛の番である侯爵家嫡男ヨハネス・ケインを洗脳魔術によって不当に略奪され、無理やり番を解消させられた。
自らの半身にも等しいパートナーを失い狂気に堕ちたリシャールは、復讐の鬼と化し、自らを忘れてしまったヨハネスもろとも、ことを仕組んだ黒幕を一族郎党血祭りに上げた。そして、間もなく、その咎によって処刑される。
そんな彼の正気を呼び戻したのは、ヨハネスと出会う前の、9歳の自分として再び目覚めたという、にわかには信じがたい状況だった。
しかも、生まれ変わる前と違い、彼のすぐそばには、存在しなかったはずの双子の妹、ルトリューゼとかいうケッタイな娘までいるじゃないか。
さて、ルトリューゼはとかく奇妙な娘だった。何やら自分には前世の記憶があるだの、この世界は自分が前世で愛読していた小説の舞台であるだの、このままでは一族郎党処刑されて死んでしまうだの、そんな支離滅裂なことを口走るのである。ちらほらと心あたりがあるのがまた始末に負えない。
リシャールはそんな妹の話を聞き出すうちに、自らの価値観をまるきり塗り替える概念と出会う。
それこそ、『推し活』。愛する者を遠くから見守り、ただその者が幸せになることだけを一身に願って、まったくの赤の他人として尽くす、という営みである。
リシャールは正直なところ、もうあんな目に遭うのは懲り懲りだった。番だのΩだの傾国だのと鬱陶しく持て囃され、邪な欲望の的になるのも、愛する者を不当に奪われて、周囲の者もろとも人生を棒に振るのも。
愛する人を、自分の破滅に巻き込むのも、全部たくさんだった。
今もなお、ヨハネスのことを愛おしく思う気持ちに変わりはない。しかし、惨憺たる結末を変えるなら、彼と出会っていない今がチャンスだと、リシャールは確信した。
いざ、思いがけず手に入れた二度目の人生は、推し活に全てを捧げよう。愛するヨハネスのことは遠くで見守り、他人として、その幸せを願うのだ、と。
推し活を万全に営むため、露払いと称しては、無自覚に暗躍を始めるリシャール。かかわりを持たないよう徹底的に避けているにも関わらず、なぜか向こうから果敢に接近してくる終生の推しヨハネス。真意の読めない飄々とした顔で事あるごとにちょっかいをかけてくる王太子。頭の良さに割くべきリソースをすべて顔に費やした愛すべき妹ルトリューゼ。
不本意にも、様子のおかしい連中に囲まれるようになった彼が、平穏な推し活に勤しめる日は、果たして訪れるのだろうか。
文字数 7,135
最終更新日 2024.10.29
登録日 2024.10.29
堕天使クロウは首を刎ねられて死んだ。主君であるヴィドを裏切った罰である。
クロウはヴィドの未来を思いながら、ゆっくりと瞼を閉じ、自身の末路を受け入れた。
しかし、どうしてか、次の瞬間には、ベッドの上、魔王になったヴィドに組み敷かれた状態で目を覚ます。
どうやら、リコフォスという、ヴィドの寵童として召し抱えられている者の体でよみがえってしまったらしいことを認識したクロウは、寵童の中身が裏切者だと気づかれたらおしまいだと確信し、逃げることを決意する。
運よく再会した生前の弟子の力を借りて魔王城から逃げ出すことに成功したクロウ。弟子と二人三脚、逃亡生活を営むなかで、弟子から思慕を寄せられ、満更でもないな、などと思い始めるが、そんな二人に魔王ヴィドの魔の手が迫る。
果たしてクロウは怒れる魔王から逃げることが出来るのか……!?
文字数 73,577
最終更新日 2024.10.04
登録日 2024.09.11
どこにでもいる平凡な大学生、ナオキは、完璧超人の親友、御澤とルームシェアをしている。
昔から御澤に片想いをし続けているナオキは、親友として御澤の人生に存在できるよう、恋心を押し隠し、努力を続けてきた。
しかし、大学に入ってからしばらくして、御澤に恋人らしき影が見え隠れするように。
御澤に恋人ができた時点で、御澤との共同生活はご破算だと覚悟したナオキは、隠れてひとり暮らし用の物件を探し始める。
しかし、ある日、御澤に呼び出されて早めに家に帰りつくと、何やらお怒りの様子で物件資料をダイニングテーブルに広げている御澤の姿があって――――――――――。
文字数 32,709
最終更新日 2024.09.03
登録日 2024.09.03
弟子×師匠
歴史に名を残す功績をあげた、最高位の魔術師に与えられる栄誉、「シリウス」の称号を持つ、宮廷魔術師ニト・テトラ。
オライエン王国の筆頭宮廷魔術師として、国王の覚えもめでたく、王立研究所の所長を務めていたニトは、天才の称号をほしいままにし、魔術師として輝かしい将来を約束されたも同然の若者だった。
しかし、あるとき、王国の人々の生活のためにと、心血を注いで開発した魔術が、異種族の排斥を目論む国王によって公然と行われた虐殺に利用されたことを知る。
罪の意識に苛まれたニトは、自らのシリウスの称号を返上し、研究所を去ることを選んだ。
そして、生涯を賭しても償いきれない罪に向き合うため、彼は、残りの人生を、迫害にあっている異種族「リュプス族」の人々のために使うことを決意し、王都を発った。
隔離政策によって、オライエン王国の国境沿いの一角、ベスティア自治区に押し込まれたリュプス族の人々は、まともなインフラも整備されていない、福祉どころか、自給自足すら望むべくもない土地で、原因不明の疫病や、深刻な飢えに苦しんでいた。
自身の資産や、不労所得の殆どを擲って、ベスティア自治区に診療所を開いたニト。
原因不明であった疫病の治療法を確立し、多くの人々を苦しみから救ったことで、リュプス族の人々から信頼され、慕われるようになる。
しかし、そんなニトの前に、「貴方の秘密を知っている」と言う、謎めいた青年が現れる。
「周囲にバラされたくなければ、俺に魔術を教えろ」と迫られ、ニトは恐怖のままに、シグマと名乗ったその青年を弟子に取ることになったのだが――――。
文字数 47,935
最終更新日 2024.01.05
登録日 2023.12.21
駅のホームでネット小説を読んでいたところ、不慮の事故で電車に撥ねられ、死んでしまった平凡な男子高校生。しかし、二度と目覚めるはずのなかった彼は、死ぬ直前まで読んでいた小説に登場する悪役として再び目覚める。このままでは、自分のことを憎む最強主人公に殺されてしまうため、何とか逃げ出そうとするのだが、当の最強主人公の態度は、小説とはどこか違って――――。
最強スパダリ主人公×薄幸悪役転生者
R‐18展開は今のところ予定しておりません。ご了承ください。
文字数 162,576
最終更新日 2023.11.03
登録日 2023.08.09
年下×年上
横書きでのご鑑賞をおすすめします。
イニテウム王国ルーベルンゲン辺境伯、ユリウスは、幼馴染で5歳年下の婚約者である、イニテウム王国の王位継承権第一位のテオドール王子に長年想いを寄せていたが、テオドールからは冷遇されていた。
自身の故郷の危機に立ち向かうため、やむを得ず2年の別離を経たのち、すっかりテオドールとの未来を諦めるに至ったユリウスは、遂に自身の想いを断ち切り、最愛の婚約者に別れを告げる。
しかし、待っていたのは、全く想像だにしない展開で――――――。
展開に無理やり要素が含まれます。苦手な方はご注意ください。
内容のうち8割はやや過激なR-18の話です。
文字数 29,370
最終更新日 2023.04.27
登録日 2023.04.20
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