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事件はある夏の日に起きた。本社での会議を終え、工場へと帰る道中であった。雲行きが怪しくなり、夕立に襲われる。不自然な程黒々とした空から一筋の雷光が落ちた。稲妻の音を聞くよりも先に、焼けるような熱さを感じた。そして――意識は途絶えた。
目が覚めると、俺は少女になっていた。
痛く鮮明な桃色と黄色の、金属質な素材で出来た杖を手に握っていた。装飾には星やハートマークを幾つも連ねた彫り込み。先端は八芒星のシンボルと、中心に赤い水晶。水晶を支える土台のようなものは無く、淡い光を放ちながら浮いていた。
こうして、俺は魔女っ子に生まれ変わった。悪の組織と戦うはずだった。
しかし、俺には家族も、仕事もある。悪の組織とばかり戦ってはいられない。魔女っ子になってしまったとしても、俺の日常を捨てるつもりはない。
こうして俺の、魔女っ子としての日常が始まった。
登録日 2018.03.23
かつての戦争で、魔王が存在していた。
しかし――ある時、突如魔王は姿を消した。自然消滅的に魔族と人族の戦争は終結した。
戦争終結から十年の月日が経過した。
平和になったはずの世界は、未だ戦争の爪痕が残っていた。犯罪者、戦災孤児、滅びた幾多の都市。
犯罪は消えず、人は人を疑い、騙す。都市を出れば魔王軍の残党や凶暴な魔族に命を脅かされる。
そんな世界を魔王『マリア』は、娘として育てている少女『クリス』と共に旅をする。
――自らが世界に振り撒いた災厄の芽を、摘み取る為に。
登録日 2018.03.23
室戸岬沖に建設された海上研究都市、深水島。舞台はそこに立つ女子校、深水女子高等学校から始まる。
ある日、深水女子高等学校の野球部に超野球少女が入部した。『阿倍野真希』と呼ばれる少女は、ささいなことから本を抱えた少女と野球勝負をすることになった。勝負は真希が勝つものと思われていたが、勝利したのは本の少女。名前を『深水剣』と言った。そして深水剣もまた、超野球少女だった。
少女が血と汗を流して戦う、超能力野球バトル百合小説、開幕。
登録日 2018.03.23
ある日、10歳の少女ファーリ・フォン・ダズエルは自分がかつて『南条雪穂』という男性で、こことは違う世界――地球の日本から生まれ変わったことを思い出す。
「異世界転生するなら、ステータスはそのままで」と要求したはずなのに、ファーリには類まれなる魔法の才能があった。しかも身分は貴族の娘。そのままどころか、何もかもが変わってしまった!
その才能のあまり、父親の鶴の一声で『王立ハンター学園』へ通うことになったり。
入学試験では謎の金髪美少女『リグレット』と仲良くなったり。
いざ入学してみればファーリの姉で吸血鬼の『クエラ』やその友達の獣人『アンネ』とチームを結成したり。
普通の生活を望んだはずが、ファーリの毎日はにぎやかなことばかり!
そうこれは、かつて南条雪穂だった少女『ファーリ』が、自分の魔法の才能と向き合いながら剣と魔法の世界『ファンタズム』で生きていく物語。
登録日 2018.06.10
鈴本清美は、極めて真面目で優秀な少女であった。
学校の人気者であり、誰もに優しく、麗しき目鼻立ちに誰もが好感を抱いていた。
だがある日から、清美を快く思わぬ者による策略によって、クラスメイトの信頼を失っていく。
ついには幼馴染にさえ見捨てられ。
最後には歩道橋から突き落とされ、転落して命を落とす。
――死の間際、清美は悟る。
大切なもの、信じられるものは自分だけ。
そうして清美は自分以外の全てを恨み、見下し、諦めながら死んでいった。
だが、終わりではなかった。
清美は生前やりこんでいたVRMMORPG『ラブ・トゥルーシア・オンライン』に似た異世界に転生していた。
それも人気の高いNPCであり、悪役令嬢でもある『ベルスレイア・フラウローゼス』として。
新たな人生を清美改めベルスレイアは信条に従って満喫する。
自分以外は役立たず。自分だけが大事。自分だけが素晴らしい。
――己以外の全てを拒絶する少女が、今、世界の敵となる。
登録日 2018.11.17
コンビニ店員のおっさんが、勇者召喚に巻き込まれて異世界に!
いわゆるクラス転移というやつに巻き込まれた、冴えない三十五歳の独身男性、乙木雄一。
召喚された勇者たちは女神様からチートスキルを一つずつもらって転生するが、おっさんは巻き込まれただけなのでチートは売り切れ、貰えなかった。
代わりとばかりに女神様は、チートスキルを作るための参考に集めていた余り物、廃棄スキルをまとめておっさんにぶち込み、強制的に異世界で送り出す。
ステータスも低く、スキルも役立たず。でもおっさんはがんばります。
気付けばおっさんの周りには、なぜかおっさんを慕う女の子や男の娘がたくさんいて。
おっさんもまんざらじゃない気分だったり。
廃棄スキルも駆使したら、全然弱くなかったり。
そんなおっさんの異世界での、なんてことの無い物語。
登録日 2018.11.17
クラスの日陰者である主人公、緋影蒼汰(ひかげ そうた)。
彼は幼馴染を、妹を、両親を――憎んでいた。
鬱屈とした日常を過ごす日々の中、ある日突然異世界へと転移した。
クラスメイト全員で異世界と勇者として召喚されたのだが、そこで蒼汰が得た力は『火傷耐性』といういかにも弱そうなスキルのみ。
その弱さのあまりクラスメイトからは笑いものにされ、召喚した国からは地獄の訓練を課されて――最後には、戦場に囮として残され、使い捨てにされてしまう。
その瞬間、蒼汰は決めた。
必ず復讐してやる。
俺をこんなに追い込んだ全ての人間を――暴走した炎魔法で灰も残さず燃やし尽くしてやる。
こうして復讐心に取り憑かれた少年、後に蒼炎の英雄と呼ばれることになる蒼汰の戦いの日々が始まることとなった。
登録日 2020.03.19
その男は無力であった。ひ弱で、幾度となく暴力に屈してきた。理屈で勝っても、勉学で勝っても、収入で、人生の幸福でいくら勝っていても。
あの日、暴力に心が、肉体がくじけた記憶が己を敗者だと告げるのだ。
勝ちたい、あいつらに、まだ見ぬ奴らに、誰にも負けたくない――弱いというただその事実が悔しいから。
そんな思いを抱えながら……男は死んだ
そして男は、気づくと異世界に居た。醜悪な怪物、ゴブリンの姿で。
今度は、ああはなりたくないと思った。
勝ちたい、誰にも負けたくない、今度は一点の曇りもなく、自分を勝者だと信じたい。
そのために必要な暴力を極めて――この拳で、最強になる。
それが第二の人生をゴブリンとして送ることになった男の願いであった。
これは――ゴブリンとして異世界に転生した男が、その拳で、闘争によって、己を地上最強であると証明してゆく物語。
登録日 2020.11.30
その世界は、剣と魔法のファンタジーなよくある異世界。
よくある物語でよく舞台になるような、ごく普通の異世界。
ただほんの少し違うところがあるとすれば――そこがとある『悪役令嬢モノ』と呼ばれる作品に酷似した世界であること。
そして、物語の三百年以上も前に――現代日本の地球から転生者が現れてしまったこと。
何の因果か、転生者は悪役令嬢の物語とは何の関係も無い時代、何の関係もない場所で、神様からもらったチート能力を使って活躍し、伝説の英雄として語り継がれるようになりました。
そうして――時は三百年後、物語が始まる年の十二年前。
悪役令嬢『アーデルハイト=レイヴンロアー』が出会うはずだった物語。
それは英雄とお姫様が結ばれる、ごく普通の物語のはずだった。
けれど小さな歯車が狂い、彼女が読んだのは『黒き盾の英雄』の物語であった。
小さな小さな、本当に些細な歯車が狂ってしまったせいで、その後の彼女が、そして世界の命運が大きく変わってしまうとは、この時は誰一人として、そう、例え神様だって知る由もなかった。
登録日 2021.08.28
仕事が回らないから戻れと言われても今更もう遅い、SSS級冒険者として自由に生きていきます
シクロ=オーウェン。天才少年技師として、魔道具制作の界隈ではかなりの期待をされていた人物。
だが十六歳のスキル授与の儀式により与えられた『時計使い』という職業スキル。
この世界は、職業スキル持ちはその職業以外に就くことは禁忌とされていた。
そうしてシクロの天才技師としての道は絶たれた。
しかし、シクロは腐ること無く、真面目に時計技師として働き、時計使いという職業スキルも使いこなし、職人ギルドに貢献していた。
だがある日、時計使いなどという有用性の低い専門職など不要と言われ、職人ギルドのギルドマスターから追放を言い渡される。
そして職を失ったシクロを襲うのはさらなる絶望。なんと、近所の薬師のお姉さん、ミランダ=リリベルを強姦しようと警吏が企んでいることを偶然聞いてしまう。
警吏が関わっているのだから通報もうかつには出来ない。だからシクロは、その日の夜、計画を邪魔することに。
そしてミランダの家を襲撃しようとしていた警吏を抑え込もうとするが、逆に警吏によって拘束される。
そしてミランダを強姦しようとしていた罪をなすりつけられ、騒ぎを聞きつけたミランダにも見損なったと言われる。
そうして強姦未遂容疑で犯罪者となったシクロは、辺境に存在する最悪のダンジョンを探索するという懲役を科せられ、辺境送りにされる。
辺境では懲役冒険者は最底辺とみなされ、シクロも見下される。さらには冒険者の間では有名な天才錬金術師の妹アリス=オーウェンが流していた噂により、ここでも無能扱いを受ける。
そして荷物持ちとして同行した冒険者の虐待を受け、ダンジョン内で谷底へと突き落とされる。
その最深部で、シクロは時計使いの時計操作能力で腹時計も止められたらいいのに、と考えた。すると空腹感が止まる。
これをきっかけに、シクロは自分の能力が時計と名につくものであれば何でも操作可能だと理解する。
こうして真の力に目覚めたシクロは最悪のダンジョン最深部を脱出。その功績と実力を認められ、SSS級冒険者として認められる。
一方で、シクロを不幸に追いやった者たちは、シクロがいなくなったことで不幸に見舞われることとなる。
登録日 2021.08.28
なんでも全力でツッコミを入れてしまうクセがあるだけの、ごく普通のブラック企業務めの男。
彼はあまりにものブラック企業っぷりにツッコミを入れてしまい、頭の血管がプッツンして死んでしまった。
その間抜けでおもろい死に方に満足した異世界の女神が、男を自分の世界『ナンディーヤ・ネイン』へと転生させてくれることとなる。
男は普通に欲深かったので、チートを望んだ。
でも男は普通なので、チートを貰えるほどすげーやつでは無かった。
そこで女神様は、デメリット付きのチートを二つ授けて、お互いのメリットでデメリットを相殺することになる。
魅力的な異性と出会いモテモテになりラブラブになる運命力を手に入れるが、ヒロインがギャグ漫画世界の住人みたいな設定になってしまうというデメリットのある『限定魅了(笑)』
最強にして無敵の能力を手に入れるが、それを活かす機会にあまり恵まれないというデメリットのある『天下夢想』。
この2つのチートによって、ギャグ漫画世界の住人特有の理不尽な暴力やトラブルを最強チート能力で無理やり解決し、使う機会が滅多に訪れないはずの能力をギャグ漫画ヒロインと出会うことで無理やり機会に恵まれるようにして解決した。まさに神の采配。完璧。デメリットは一切なくなった。
万事解決である!
こうして男は、異世界のチート野郎『クーゲル・シュライバー』として生まれ変わり、メチャクチャなヒロインに巻き込まれる騒がしい日々を送ることになるのであった!
登録日 2023.11.04
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