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幼い頃から霊と交流ができるララは、社交界で『呪われた令嬢』と呼ばれ、忌み嫌われている。
自分の体質のせいで両親に迷惑をかけたくない。その一心で婚約者からのひどい仕打ちに耐えてきた。
しかしある日、一方的に婚約破棄されてしまう。心に蓋をしても涙を堪えても、結局上手くいかなかった。
これからは自分の気持ちを大切にしよう、と魔道具作りに励もうとした時、一つの依頼が舞い込んだ。
「――死んだ俺の最後の願いを、叶えてほしい」
依頼主はグラント公爵家の嫡男、テオドール。
以前から面識のある人物だが、姿を現した彼はどう見ても半透明だった。最後の願いとやらを聞いてみると……
「仕事がしたい」
「正気ですか?」
理解できない答えであった。
いじわるなテオドールによって依頼を断れない状況に追い込まれたララは、彼が神の元に帰るまでの六十日間、力を貸すことになる。
勇気を出してテオドールの職場、王立犯罪捜査局の門をくぐったのだが――。
これは【一途に愛した霊体令息×役に立ちたい霊感令嬢】が、互いを幸せにするために奔走し、二人だけのハッピーエンドを見つけ出す、半透明な物語。
***
◇ 二十万文字ほどのお話です
◇設定はオリジナル要素があり、ふんわりしております。
◇他サイトにも掲載中です。
文字数 220,167
最終更新日 2024.11.02
登録日 2024.10.30
「……どうしようルーシー。俺、恥ずかしくて死ぬかもしれない」
「気が合うね、私も」
――これは、秘密の痣を持つ明るい少女が、甘くて無表情の王子から、ずっと溺愛されてきたことに、気付いてしまう物語。
♢♢♢
リーストン魔術学校に通うルーシーは、昨晩一つの呪いを解いた。
その呪いとは、自分の顔を覆う『痣』――ではなく、学友で隣国の第二王子、オーランド・サルバスを苦しめてきた『死の呪い』である。
オーランドの命が助かり安堵するものの、他にも解かねばならない呪いがあった。
入学式の日、彼は言ったのだ。
「俺は、呪いで表情を奪われている」
複数の呪いをかけられ、お茶目な性格のくせに、常に無表情のオーランド。
ルーシーは、彼の笑顔が見たかった。
そんな中、もうすぐオーランドの誕生日だと気付く。盛大に祝おうと計画を立て、準備のために街に出た。
するとそこで、予想外の事件に巻き込まれることになる。
事態を理解したルーシーはうつむき……満面の笑みを浮かべたのだった。
♢♢♢
「ルーシー、しっかり俺を見て。俺は今、もの凄く幸せだ」
「オーランドが幸せなら嬉しい。ただ……いつも通り、表情は微動だにしてないけどね」
「……そんなぁ」
(格好良いのに可愛いだなんて、ずるい)
*この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しております。
文字数 55,604
最終更新日 2022.01.23
登録日 2022.01.16
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