小平ニコ

小平ニコ

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恋愛 完結 短編
「ローラリア、すまないが、他に好きな人ができた。おまえとはここまでだ」 突然そんなことを言い出したブライアンに、私はごく自然な態度で「はあ、そうなんですか」とだけ答えた。……怒りも、悲しみも、ほんの少しの嫉妬心もない。だって元々、ブライアンのことなんて、好きでも何でもなかったから。 落ち着き払った私の態度が気に入らないのか、ブライアンは苛立ち、その日のうちに婚約破棄は成立する。しかし、ブライアンは分かっていなかった、自分のとった行動が、どんな結末を招くかを……
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文字数 21,268 最終更新日 2021.07.21 登録日 2021.07.03
恋愛 完結 短編
「陰気で不細工な女め。僕は、お前のことがずっと嫌いだった」 廃村に私を呼び出したキュリック様は、徹底的に私を罵倒し、婚約を破棄しました。彼は、私の家からの援助が目当てで私に近づいただけであり、実家の状況が変わり、お金に不自由しなくなった今となっては、私との婚約には、何の価値もないそうです。 「僕にはな、お前と、お前の家に隠れて、ひそかに想いあっていた恋人がいるんだ」 薄々は、感づいていました。 キュリック様の心が、私ではなく、別の誰かに向いていることを。 しかし、私はどうしても納得がいかず、抗議しようします。 ……そんな私を、キュリック様は平手で叩き、「喋るな、虫けら」と罵りました。いきなりの暴力と、冷徹な言葉で、何も言えなくなってしまった私を嘲笑い、キュリック様は去っていきます。 その時でした。 キュリック様が、何者かが作った大きな落とし穴に落ち、致命的な大怪我をしてしまったのです。
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文字数 4,957 最終更新日 2021.07.14 登録日 2021.07.10
「すまない。でも、全部きみのためなんだ」 ランデリック様はそう言って、私との婚約を解消した。……許せない、きっと、『あの女』にたぶらかされたのね。半年ほど前から、ランデリック様のそばをウロチョロするようになった、彼の幼馴染――ウィネットに対する憎しみが、私に『入れ替わり』の呪文の使用を決意させた。 『入れ替わり』の呪文は、呪文を唱えた者と、使用対象の心を、文字通り、『入れ替え』てしまうのである。……呪文は成功し、私の心はウィネットの体に入ることができた。これからは、私がウィネットとなって、ランデリック様と愛を紡いでいくのよ。 しかしその後、思ってもいなかった事実が明らかになり……
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文字数 5,972 最終更新日 2021.06.28 登録日 2021.06.24
恋愛 完結 ショートショート
父親同士が親友であるというだけで、相性が合わないゴードリックと婚約を結ばされたキャシール。何かにつけて女性を見下し、あまつさえ自分の目の前で他の女を口説いたゴードリックに対し、キャシールもついに愛想が尽きた。 しかしこの国では制度上、女性の方から婚約を破棄することはできない。そのためキャシールは、ゴードリックの方から婚約破棄を言いだすように、一計を案じるのだった……
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文字数 2,189 最終更新日 2021.06.22 登録日 2021.06.22
「ヘイデールさんって、本当に素敵な方ね。姉さんが羨ましいわ」  妹はそう言い、私の婚約者を奪おうとしてきた。これまで散々、私の『大切な物』を自分のものにしてきたのに、それでは飽き足らず、『大切な人』まで手に入れようとするなんて。  大好きだった婚約者ヘイデールは、妹の策略にやすやすと引っかかり、私に疑いの眼差しを向けてくる。私の言うことは信じないのに、妹の言うことは妄信するその姿に、愛情が急激に冷めていくのを感じた。  ……そう。  そんなに欲しいの、彼のことが。  それならヘイデールは、あなたにあげるわよ。  もう信頼と愛情は、とっくに無くなってしまったから。  私は、ヘイデールに仕えている美しい執事、ジェランドさんと添い遂げるわ。
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文字数 52,048 最終更新日 2021.06.18 登録日 2021.05.06
ローレッタは『聖女』として忙しいながらも充実した日々を送っていたが、ある日突然上司となった無能貴族エグバートの機嫌を損ね、『聖女』をクビとなり、住んでいた寮も追放されてしまう。 失意の中、故郷に戻ったローレッタ。 『聖女』でなくなったことで、婚約者には露骨に冷たい態度を取られ、その心は深く傷つく。 だが、優しい義兄のおかげで少しずつ元気を取り戻し、なんとか新しい生活に馴染み始めたころ、あのエグバートから手紙が届いた。『大変なことになっているから、今すぐ戻ってこい』と。
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文字数 41,632 最終更新日 2021.05.05 登録日 2021.03.29
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