刃傷小説一覧
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一ト切り【いっときり】……線香が燃え尽きるまでの、僅かなあいだ。
奈落大夫の異名を持つ花魁が華麗に謎を解く!
絵師崩れの若者・佐彦は、幕臣一の堅物・見習与力の青木市之進の下男を務めている。
ある日、頭の堅さが仇となって取り調べに行き詰まってしまった市之進は、筆頭与力の父親に「もっと頭を柔らかくしてこい」と言われ、佐彦とともにしぶしぶ吉原へ足を踏み入れた。
そこで出会ったのは、地獄のような恐ろしい柄の着物を纏った目を瞠るほどの美しい花魁・桐花。またの名を、かつての名花魁・地獄太夫にあやかって『奈落太夫』という。
御免色里に来ているにもかかわらず仏頂面を崩さない市之進に向かって、桐花は「困り事があるなら言ってみろ」と持ちかけてきて……。
文字数 7,006
最終更新日 2024.05.31
登録日 2024.05.31
同居しているパートナーに誘われ、先月オープンしたばかりの居酒屋でサシ飲みしていた私たち。
トイレに行こうと中座しかけた私にパートナーは言った。
「気を付けてね。ここのトイレは趣味が悪くて、しかも怖いから。」
文字数 3,416
最終更新日 2024.03.13
登録日 2024.02.13
異国船が日本の近海に頻繁に現れはじめ幕府が打払令を出すなど、世の中が騒がしくなってきた文政年間。
江戸城西の丸大手門を警備する御番所で一人の侍が乱心、同僚三人を殺害、他にも多数の者を傷つけた大事件が起こります。
曲亭馬琴が編纂した天保三(1832)年刊の「兎園小説 拾遺」には、この事件の関係者から聴取した記録を含め事件の詳細な経緯が掲載されています。
その「山形番士騒動聞書幷狂詩」を基に当時の状況を再現しました。
一部推測に依った部分もありますが、ほぼ馬琴の残した記録に沿った「事実」です。
二部構成で全四千字程度の短編です。
なお、殺人事件の記録ですので一部生々しい描写もあります、閲覧の際にはご注意ください。
また、尺や寸のセンチメートル換算は全て「約」ですのでご承知おきください。
文字数 4,289
最終更新日 2020.05.24
登録日 2020.05.23
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