松尾芭蕉小説一覧

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【あらすじ】 (第一章 芭蕉 ~旅の始まり~) 天和三年。天和の大火のため、甲斐谷村藩家老・高山繁文を頼って、松尾芭蕉は江戸から甲斐、谷村(やむら)に居を移していた。芭蕉は田舎暮らしに満足していながら、なにかたりないと感じていた。やがて芭蕉は江戸に戻り、かつての知己であった八百屋お七のことを機縁に、惣五郎という人物と出会う。惣五郎と、お七のことを話すうちに、芭蕉はある気づきを得る。その気づきとは、やりたいことがあれば、命懸けでやってみろ、という気づきだった。 (第二章 花が咲くまで初見月。) 松尾芭蕉と共に「おくの細道」の旅に出た曾良。彼は句作に悩んでいた。観念的に詠んでしまう自分の句を変えようと模索していた。芭蕉はそんな彼を見て――句を詠んだ。 (第三章 その言葉に意味を足したい ~蝉吟(せんぎん)~) 松尾芭蕉は、「おくのほそ道」の旅の途中、出羽の立石寺(山寺)に立ち寄った。その時、あまりの蝉の声に、弟子の曾良は苦言を呈す。だが、逆に芭蕉は何も言わず、回想に浸っていた。かつての主君であり友である藤堂良忠のことを。良忠は己を蝉にたとえ、その蝉の如き短い生涯を終えた。以来、蝉の鳴く声に、意味はあるのかという想いを抱く芭蕉。そして己の俳諧の「行き先」を求め、旅に出て、山寺に至り、蝉の声を聞いた芭蕉は――良忠に向けて、一句詠んだ。 【表紙画像】 Morikawa Kyoriku (1656-1715), Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で
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小説 3,603 位 / 185,596件 歴史・時代 71 位 / 2,378件
文字数 18,581 最終更新日 2024.06.07 登録日 2024.05.31
「ジパングはカタイの東1500マイルに浮かぶ広大な島国だ。莫大な黄金を産出し、王の宮殿は金でできている」 マルコ・ポーロ著 東方見聞録より 西暦1689年日本。徳川泰平の江戸時代。東北を旅した漂泊の俳諧師、その名を松尾芭蕉。 後の世に奥の細道として知られる芭蕉の旅には、ある秘密が隠されていた。 江戸を出発して22日目の那須湯本。不自然な旅が続く。芭蕉は弟子の曾良を問い詰めた。 裏で糸を引いていたのは旧知の徳川光圀。光圀の狙いは奥州に隠された藤原の黄金と呼ばれるものであった。 与太話と一笑に付した芭蕉に那須の殺生石が静かに語りかける。 そして芭蕉は知る。黄金がもたらす力と、呪いを。 アテルイ、安倍貞任、奥州藤原、源義経。 繰り返されてきた奥州の悲劇。その影に存在した呪われし黄金。悲しき歴史に終止符を打つのは人か、鬼か。 これは山々が深き霧に沈む国(ニーベルング)の物語。 事実と虚構が織りなす一大スペクタクルロマン、ここに開幕!
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小説 185,596 位 / 185,596件 歴史・時代 2,378 位 / 2,378件
文字数 33,284 最終更新日 2020.03.19 登録日 2020.01.30
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