非行少女小説一覧
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【これは愛か執着か】
十七歳の優里は家出少女だった。
橋の下、通称《身寄せ橋》であと腐れのない関係を築き、居場所を求めてさまよう。
身を売ることで日々生き繋いでいた。
ある夜のこと、老若男女が住み着いた《身寄せ橋》から人がいなくなる。
誰もいなくなった《身寄せ橋》で、男に捕まり連れ去られてしまう。
二人きりの生活で、優里は逃げようと奮闘するが……。
「蓮って、そんな風に笑えるんだね」
「笑う……か。それは皮肉なことだな」
同じ時間を過ごしていくうちに男の秘められた過去を知り――。
「何も知らないくせに! あたしは変わったの! 強くなったの!」
どうせ、誰もあたしの叫びに答えはしない。
あたしに居場所なんてないのだから。
「一度は警告を出してるんだ。傷つく覚悟は出来てるはずだ。わかってるよな?」
利用価値がないと見捨てられてしまったら、あたしは生きていくことが出来なくなってしまう。
あたしの居場所はどこ?
さまよい歩き、今日も囚われる。
【あたしたちは夢なんか見ていられない】
――だけどね、幸せはあきらめられないから、希望をみるんだよ。
文字数 72,593
最終更新日 2024.05.19
登録日 2024.04.29
大学2年に上がって半ばを過ぎた。
暇を持て余しながらコンビニバイトに勤しんでいると、制服を着た1人の少女が入店してきた。
そのままなにも買わず、イートインスペースにまっしぐら。
最初は見て見ぬふりをしていたが、テーブルに突っ伏したままピクリとも動かない。
心配になって声をかけると、返事の代わりにお腹の音が鳴り響く。
羞恥心に身悶える制服少女に、しょうがないと弁当を買い与える。
最初は突っぱねられたけれど、結局空腹に負けたのかぐしゃぐしゃに泣きながらお弁当をかき込みだす。
野良犬に餌を与えたような無責任な、一時の優しさ。
それだけのはずだったのに、バイトを上がると待ち伏せしていた制服少女にいきなり腕を掴まれ、ささやかな少女の胸を手に押し付けてきた。
まるで昨日の弁当はこれでチャラとでも言うようだった。
これで、豆腐素材の糸よりも脆い制服少女との関係は終わりだと思っていたのだけれど、
「私がどこにいようと勝手ですよね?」
なぜか俺のシフトの時ばかりイートインスペースに入り浸るようになってしまい、深夜だというのに俺の未来に影が差すのだった。
※この作品は「カクヨム」「小説家になろう」「アルファポリス」に投稿しております※
文字数 97,913
最終更新日 2024.04.06
登録日 2024.03.10
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