なんちゃって平安小説一覧
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今は昔。美濃国、国司の娘に、菫野といふ幼き姫ありけり。
野に在りて、罠にかかりし狐を助けたまふ。狐、姫の優しき心に感じ入り、その恩義に報いんと、妖しの技を持って、姫に強力を授けん。
――それから数年後。
かつて菫野の母がお仕えしていた桐壺更衣。その更衣の遺児である女二の宮、桜花内親王にお仕えしてみないかという誘いが菫野にかかる。
女二の宮は、十四歳。同母の兄、安積親王と仲良く暮らしておられるが、やはり母を恋しがっておられるとのこと。
年の近い菫野なら、姉のように接することでお慰めできるのではないか――という期待。
「絶対、ぜったいに、何があっても強力のこと、知られてはなりませんよ」
そう、母に強く念を圧されたのに。
「あなたも、十六。素敵な公達に見初められて、幸せな人生を掴み取るのです!」
なんて言われてきたのに。そのために、豪華な衣装を用意してもらったのに。
初出仕の日。「心配だから」とついてきた、狐の狐太を追いかけて木に登ってしまった宮の愛猫。それを助けるためにウッカリ強力を披露してしまい?
その上、イケメン安積親王にバッチリ見られて、笑われて?
内裏で働く女房として、美しい絵巻物のような世界で、ときめく物語のような恋をくり広げるはずだったのに! もしかしたら、素敵な公達が付け文なんか贈ってよこしてくれるかもって期待してたのに!
初っ端から、期待も希望もベッキリ圧し折られた菫野。
こんな強力女房、誰が好きになってくれるっていうのよ。
「まあまあ、ドンマイ、ドンマイ」
次があるさと、孤太が心のこもらない慰めをくれるけど。
わたしは、ここで幸せな恋をしたいの! こんな強力なんていらないのよ!
華やかな宮中でくり広げられる、平安「剛力」恋愛物語。
文字数 116,940
最終更新日 2024.01.13
登録日 2023.12.10
今は昔。竹取の翁というものあらずとも、六位蔵人、藤原成海なるものありけり。この男、時に怠惰で、時にモノグサ、時にめんどくさがり。
いづれの御時っつーか今、女御、更衣あまた候ひ給わず、すぐれて時めき給ふ者もなし。女御なるは二人だけ。主上が御位にお就きあそばした際に入内した先の関白の娘、承香殿女御と、今関白の娘で、新たに入内した藤壷女御のみ。他はナシ。
承香殿女御は、かつてともに入内した麗景殿女御を呪殺(もしくは毒殺)した。麗景殿女御は帝に寵愛され、子を宿したことで、承香殿女御の悋気に触れ殺された。帝は、承香殿女御の罪を追求できず、かわりに女御を蛇蝎のごとく嫌い、近づくことを厭われていた。
そんな悋気満々、おっそろしい噂つき女御のもとに、才媛として名高い(?)成海の妹、藤原彩子が女房として出仕することになるが――。
「ねえ、兄さま。本当に帝は女御さまのこと、嫌っておいでなのかしら?」
そんな疑問から始まる平安王朝っぽい世界の物語。
滝口武士・源 忠高、頭中将・藤原雅顕、陰陽師・安倍晴継、検非違使・坂上史人。雑色・隼男。そして承香殿女房・藤原彩子。身分もさまざま、立場もさまざま六人衆。
そんな彼らは、帝と女御を守るため、今日もドタバタ京の都を駆け巡り、怠惰な成海を振り回す!!
「もうイヤだぁぁっ!! 勘弁してくれぇぇっ!!」
成海の叫びがこだまする?
文字数 117,295
最終更新日 2023.10.06
登録日 2023.09.01
目覚めたら、そこは平安時代だった――
見事な長い黒髪に、華やかな着物。
鏡を覗きこめば、平安絵巻物で見た姫君の姿。
雅な世界がそこには広がっていた……
何がどうなっているのか分からない。
でも自分は姫になったらしい?
しかも、貴族の中の貴族、左大臣家の姫君だなんて。
令和の京都にいたはずなのに、なんで平安時代なんかにいるの?
「私」は古典が大好きな一学生だったはずなのに。
* * * * * * * * * * *
現代へ戻る方法を探して主人公が奔走する中、
公達の夜這い、天狗の出現、皇族からの結婚の申し込み……
次から次へとふりかかる問題が新たな出会いを生む、平安王朝風恋愛小説。
※この物語はフィクションです。人物名・作品名などは実在のものとは異なります。
※適宜ルビや注を施した箇所があります。
※恋愛はゆっくりめに進みます。
※更新スピードにつきましては、近況報告に記載の通りとなります。
★「小説家になろう」さんでも連載しております。
★監修/白木蘭様
文字数 350,172
最終更新日 2020.10.25
登録日 2020.05.21
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