届かない想い小説一覧
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地元の国公立大学に通う、大学三年生の宮村皇紀は、幼い頃から、絶世の美少年と言われるほど容姿端麗なこともあり、いつも周りにはいろんな男性が集まってきていた。毎日のように、チヤホヤされている様子を、大学のある一室から、南大和は、レポートを作成しながら、呆れるように眺めていた。全く接点のなかった二人だったが、ある日、ホテルから逃げ出したという理由で、相手の男から追われていた皇紀が、突然大和の部屋へと逃げ込んで来る。一人静かに大学生活を過ごしたいと思っていたところに、その日から皇紀が毎日のように顔を出すようになったが、男遊びの激しい皇紀を大和はいつも冷たい態度であしらっていた。しかし、話してるうちに、自分がものすごく大好きな、一年に一度しか本を出さないレアな小説家と、一年に一度ネット配信でしか歌を出さないレアなアーティストを皇紀も知っていたことに、大和は嬉しさを覚える。口数が少なく、一人の時間を大切にする大和に対し、たくさんの人数で行動するのが好きだった皇紀は、最初は物足りなさを感じていたが、一緒に過ごしていくうちに、自分と向き合うという時間の大切さに気付き、将来のことを真剣に考えるようになる。皇紀は、全身に発疹が広がるという原因不明の皮膚疾患にかかっていることを今まで誰にも言えずにいたが、それを大和に打ち明ける。自分でも気持ちが悪いと思うくらい、全身にしきつめられるように、次々にできてくる発疹の症状に悩み続けていた皇紀に、大和は、前向きになれるような言葉をさりげなく言い放った。皇紀はそんな大和に惹かれていくが、大和は、遊びで簡単に体の関係を持つような奴は無理だ、と、会話の中で一刀両断する。そして南がようやく三年生最後のレポートを提出し終え、二人の就活が本格的に始まろうとする中、皇紀は勇気を出して大和をホテルに誘うが「不特定多数の、思い出にも残らない中の一人になるのはごめんだ」と、ハッキリと断られてしまう。しかし皇紀は、今まで誰とも関係を持ったことがないことを大和に言えず、それから二人は別々の道に進むことになり、会うこともなくなるが、皇紀は、自分の中に芽生えていた大和への恋心を消すことが出来ない日々を過ごしていた。お互いのインスタはフォローしていたものの、連絡を取り合うことが出来ずにいた。半年が過ぎた頃、二人に突然の偶然が重なり、思いがけない再会を果たすことになる。大和に想いを届けたいが届けられずに苦しむ皇紀に、幸せは訪れるのか…
文字数 29,580
最終更新日 2024.04.30
登録日 2024.04.30
いつも周囲からは一線を置いているような美少女サフィニア・グルーミー男爵令嬢 。
そして彼女に密かに恋い焦がれていた侯爵令息ニール・フィカス。
守銭奴と蔑まれるサフィニアの父グルーミー男爵は商売と資源開発で成り上がった新興貴族で、海外との交易で更なる事業拡大を狙っているが、その為には高位貴族の後ろ楯を得る必要があった。
一方、名家でありながら台所事情がいささか心許ないフィカス侯爵家にとってグルーミー男爵家の財力は魅力的なものであった。
両家の利害関係は一致し、サフィニアとニールを婚約させることによって両家は業務提携をすることになった。
フィカス侯爵はグルーミー家の一人娘サフィニアと息子ニールを結婚させることで、将来的にはグルーミー家の資産を手中に収める下心を持っていた。
ずば抜けた美貌のサフィニアはクラスメイトのご令嬢たちから妬まれていた。
そしてサフィニアに密かに憧れていた令息達は棚ぼた式にサフィニアの婚約者となったニールに少なからず嫉妬していた。
高位貴族の子弟達は面白くない気持ちを誤魔化すようにサフィニアの悪口を言った。
そしてニールも彼等に同調してサフィニアを貶めた。
素直になれずに悶々とする日々の中でサフィニアが別の男と親しげにしている場面を目撃したニールは、嫉妬からサフィニアを呼び出し肉体関係を強要するようになる。
何度も抱けば抱くほどに彼女の心が離れていくことに後悔と焦りを感じながらも心とは裏腹な言動をとってしまう。
それでもニールはサフィニアとの関係を改善できると信じていた。
結婚後はサフィニアを大切にして分かりあえるつもりだった。
ところが、舞踏会で隣国の王太子に見初められたサフィニアは、王太子の愛妾として隣国に召し上げられてしまう。
文字数 48,347
最終更新日 2023.05.23
登録日 2023.05.13
私の愛しい旦那様が、一緒にお茶をしようと誘ってくださいました。
普段食事も一緒にしないような仲ですのに、珍しいこと。
私はそれに応じました。
テラスへと行き、旦那様が引いてくださった椅子に座って、ティーセットを誰かが持ってきてくれるのを待ちました。
旦那がお話しするのは、日常のたわいもないこと。
………でも、旦那様? 脂汗をかいていましてよ……?
それに、可笑しな表情をしていらっしゃるわ。
私は侍女がティーセットを運んできた時、なぜ旦那様が可笑しな様子なのか、全てに気がつきました。
その侍女は、私が嫁入りする際についてきてもらった侍女。
ーーー旦那様と恋仲だと、噂されている、私の専属侍女。
旦那様はいつも菓子に手を付けませんので、大方私の好きな甘い菓子に毒でも入ってあるのでしょう。
…………それほどまでに、この子に入れ込んでいるのね。
馬鹿な旦那様。
でも、もう、いいわ……。
私は旦那様を愛しているから、騙されてあげる。
そうして私は菓子を口に入れた。
R15は保険です。
小説家になろう様にも投稿しております。
文字数 54,301
最終更新日 2021.07.02
登録日 2020.05.13
これから書くこの手紙は、きっとあなたには届かないでしょう。
ですから私は、今までに感じたこと、思ったことを他人の目を気にせずに素直に書けるのです。
あなたと過ごした日々は本当に楽しかった。
きっとこの先永遠に私にとってあなたが私の全てであり続けるのでしょう。
今までも、今でも言えませんが、ここでは言ってしまいましょう。
ずっとずっと前から、あなたのことをお慕い申し上げております。
文字数 2,321
最終更新日 2020.05.07
登録日 2020.05.07
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