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白雪姫には呪いと毒が付き物だ。 小さなお姫様はこの先無事にはいられまい。 アルビオン大英帝国に相並び立つふたつの公爵家、白雪公スノードロップ家と黒馬公セングレン家。 白と黒の両家が興された昔からずっと、白雪公と執事、そして黒馬公の三者は、古き因縁による復讐の連鎖に絡め取られ、数百年も殺し合ってきた。 春荒れの嵐の日、白雪公と執事が亡くなり、突然の出来事にスノードロップ家は動揺する。 わずか七歳でスノードロップ家を継ぐことになった白雪姫・リィンセル。 白雪公の執事たるボイド家の一人息子・コハク。 執事の父と長年仲たがいしてきたコハクは、それまでの考えを曲げ、幼いリィンセルの頼みにより新品執事となる。 白雪公と執事を葬り去ったのは、黒馬公セングレン家現当主、黒太守・ダネル公。 父を殺す息子になりそこねたコハクは、慈悲の十字短剣<ミセリコルデ>をもって、ダネル公へのねじれた復讐を求める中、スノードロップ家には印度から来たサーカス団の踊り子・アリアドネが現れる。 彼女は生き別れになったアルビオン人の肉親を捜していた。 「白雪姫には呪いと毒がつきものだ。白の公爵家の小さなお姫様はこの先無事にはいられまいよ」 不吉な予言を告げるダネル公は過去、白雪公と執事の凶行により妻子を喪っていた。 「お父様がおっしゃってましたわ。古き因縁は、いつか、だれかが、断ち切らねばならない、と」 七人のしもべを従えたリィンセルの願いをかなえるためには、十字短剣をもつコハクの復讐を止めなければならない。 「私のほんとうの父がここにいたら、こんなふうだったかしら」 まだ幼いリィンセルを守りたいと思うアリアドネは、正体を知らぬままダネル公に父の面影を見ていた。 (※noteとPixivに同じ内容のものを投稿しています)
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登録日 2018.03.06
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