【完結】全てを後悔しても、もう遅いですのよ。

アノマロカリス

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第十三話 嘲罵されるライラ…・前編

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 ライラが結界を張る少し前に遡る…

 フレマアージュ王国の第二王子ヴァッシュ殿下から結界の話を聞いたレントグレマール王国の国王陛下は、真偽を確かめる為に二名の者達を呼ぶ事にした。

 1人は自分の息子であるカリオス王子、もう1人は実父のカストゥール侯爵だ。

 国王陛下はヴァッシュ殿下の話を信じていない訳ではない。

 ただ、結界の話を知る者がヴァッシュ殿下以外からは出てこず、そしてレイラのかつての婚約者と父親なら、レイラが話していてもおかしくはないと思ったからだった。

 国王陛下が何故にレイラに辿り着いたかというと…?

 レイラが誕生した時に王国周囲の魔物の勢いが治り、それから数年後に豊作の実りが起こり、そしてレイラがこの国から出た事により豊作の実りが激減している事を考えると、結界の話に信憑性が持てたからだった。

 国王陛下もヴァッシュ殿下から話を聞く前までは、だとばかり思っていたのだろう。

 「カリオス入ります!」

 カリオスはレイラの事と聞かされて謁見の間に入った。

 だが、具体的な話はされていなかった。

 「カリオスに聞きたいんだが、お前はレイラの結界に話は聞いた事があるか?」

 「けっ…かい? いえ、何の話のことなのか全く分かりません。」

 「そうか…」

 そういえばカリオスは、レイラの仕事の報告を面倒そうな表情で適当に聞いていたという話を側近が目撃していたという話をしていたから…聞いてはいても記憶に留めるということはしなかったんだろう。

 「用は無くなった、去れ!」

 国王陛下は退室を命じ、ヴァッシュ殿下と話し始めた。

 カリオスは隣にいる男を見てから声を上げた。

 「お隣にいるのはヴァッシュ殿下ですよね? 一体何の話を…」

 「まだ居たのか…去れと言ったはずだが?」

 カリオスは理不尽に呼び出されてから追い出される事に納得が行かなかった。

 すると、扉にいる騎士が告げた。

 「カストゥール侯爵家当主、バーテクス殿が到着されました。」

 「うむ、通せ!」

 「失礼致します!」

 そう言ってバーテクスは国王の前に言ってから跪いた。

 「バーテクスよ、単刀直入だが…お前に聞きたい事がある。」

 「はっ! 何なりと…」

 「バーテクスよ、お主の娘のレイラは王国全土に結界を張っていたという話は知っておったか?」

 「んんっ⁉︎」

 バーテクスは言葉に詰まった後に、大量の冷や汗が沸いてから小さく震えていた。

 バーテクスはカストゥール侯爵家領内が10数年前と同じ危機的状況になった後に、レイラが結界というものを張った以降、豊作に恵まれる様になった話を誰にも漏らしては居なかった。

 結界というのが誰にも見える訳もなく、言った所で信じる者がいるとは思っては居なかったからだ。

 まさか…その話を指摘されるとは思わずに、バーテクスは身体で分かり易く焦り出していたのを見て、国王陛下は深い溜め息を吐いた。

 「バーテクス、お前は知っていたのだな?」

 「大変申し訳ありません‼︎」

 バーテクスは床に額を当てて深く謝罪をしていた。

 その姿を見たカリオスは、国王に問いかけた。

 「一体結界とか…何の話をされているのですか?」

 「お前はまだいたのか…レイラは10年前から王国全土に結界を張っていた。 その結界は作物の成長を促し異常な収穫量を実らせ、市民達の生活向上や鉱山の採掘量を増やすという効果をもたらせていたのだ! だが、レイラがこの王国を去ったことでその効果は無くなり…それ以降はお前に届くここ最近の報告書で理解をしているだろう?」

 「あれは…そういう事だったのか!」

 国王陛下は悩んだ表情をしていると、カリオスが進言した。

 「レイラは確かにこの国を去った様ですが、その打開できる方法があります!」

 「それは、妹のライラに同じ事をさせるという事か?」

 「はい、ライラはレイラより優れた魔力量保持者です! レイラに出来てライラに出来ない事はまずあり得ません‼︎」

 カリオスはそう言って、ライラを呼ぶ為に謁見の間を退室して行った。

 そして数分後にカリオスはライラはを連れて戻って来た。

 さて…そう都合良く事が運ぶのだろうか?
 
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