8 / 28
8 費用を稼ごう
しおりを挟む「アンフェアですわ、アンフェアですわ、お義姉様ばかり! 私も伯爵家の人間になったのだから、そんな素敵な万年筆が欲しいです!」
予想外の義妹の才能を感じ取った私は引き続き高位の魔法使いに依頼して義妹の言葉を封じてもらうことにした。
遠くの国から。しかも何度も呼び寄せていたので、高位の魔法使いに支払う交通費だけで私の個人資産がかなり減ってしまった。
そこで私は当主教育の傍ら商会でお父様の仕事を手伝って、貰ったお給料を高位の魔法使いへの報酬に充てることにした。
これからも依頼を続けるためには更に仕事を増やす必要がある。
私はより多くの仕事を得るために他の従業員が嫌がる仕事を積極的に引き受けた。
働きに対して女性の賃金が少ないのを身に染みて感じたが、私の働きぶりを見ていた周囲の後押しもあって、ウチの商会の男女間の賃金格差が減ったのは嬉しい誤算だった。
結果的にうちの商会では女性の意見がそれなりに取り入れられることになり、そのことで売り上げが上がった実績を見た領内の他業種にもこの改革が広がり始めた。
まだ、うちの領内だけではあるが、働きづらさを感じていたお義母様のような立場の女性も、これからは少し楽になるだろう。
そうやって働いて得た報酬を使い、魔法で義妹の言葉を封じてもらう一方で。
私は義妹の才能を伸ばすために、色々な獲物を用意して奪わせることにした。
言語に強い家庭教師や、勉強が楽しくなりそうなノートや参考書。他国への留学。etc、etc…。
私は勉強が好きだし、読書をするのも大好きだ。
幸い私が興味があることは義妹も興味があるようで、義妹は着実に私が用意する獲物に食いついてくれた。
勿論、奪わせる物に妥協はしない。義妹が興味を示さなかったら自分が学んだり使ったりするつもりで本気で探した最高クオリティーのものばかりだ。
当然、その分費用は掛かるので私は必死に働いた。
応援ありがとうございます!
13
お気に入りに追加
517
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる