あなたねぇ、いくら私に飽きたからって、その方はダメよ。死ぬわよ?

私はアルドワン公爵夫人ユルシュル。
夫パスカルが、招かれた晩餐会で恋に落ちた……と報告してきた。

「すまないが、もう君には飽き飽きだ。私を自由にしてくれ!」
「はぁ」

まあ、生まれてすぐ許婚になって、結婚して、もう5年。
私も恋愛っていうより、家族愛しか育んでない気分よ。

「離婚する?」
「いや、君は国王陛下の曾孫だ。それはできない」

煮え切らない人。
だけど、相手を聞いてびっくり。

嫉妬深くて執念深い地雷と有名な、ヴィトン侯爵令嬢ファネット・シモン。

「あなた、死ぬわよ?」
「ああ、情熱的だろう?」

バカね。

二人の熱愛はあっという間に広まった。
王族含め、親戚全員、私を心配しているらしい。

でも、私……実は……

「別れてくれるって言ったじゃない!」
「愛してるのは君だよ!」
「あなたを殺して私も死ぬぅぅぅッ!!」

夫とヴィトン侯爵令嬢の修羅場を見るのが、最近の趣味なんですぅ~♪
24h.ポイント 0pt
0
小説 185,008 位 / 185,008件 恋愛 56,203 位 / 56,203件