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第四世代

丈編 地球人の格闘のプロ

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れいは、純血のマンティアンとして生まれた。にも拘らず、その外見は地球人そのものだった。だから彼女を生んだ母親であるマンティアンの雌は、

<得体の知れない獣>

として我が子を食おうとした。これもマンティアンとしては当然の習性であって、地球人が考えるような<悪意>はそこにはない。あまりに見た目が違っていて、<我が子>と認識できなかっただけだろうからな。

それを、イレーネが救出してくれたんだ。

で、そこからはイレーネを母親代わりにしてれいは育った。<体の使い方>もイレーネから教わった。それに、

<純血のマンティアンとしての身体能力>

が加われば、それこそ<鬼に金棒>だよな。

まあ実際は、地球人そのものの見た目というのはマンティアンとしては間違いなく不利でもある。野生の肉食獣の爪や牙をも容易には通さない<天然の装甲>とも言えるマンティアンとしての外皮を持たず、強力な武器である鎌をも備えていないのは、致命的でさえあるだろう。

それでもなお、筋力の点では必ずしも劣っておらず、反応速度だってマンティアンとしては標準以上のものを持っている彼女は、イレーネから教わった体の使い方を存分に活かすことができる。

自分に向かって突き出されたそれに臆することなく手を伸ばして滑らせるように添えて、外側に向かって逸らすんだ。同時にマンティアンの腕に指を絡めてぐいっと引き寄せつつ、反対側の手の掌底部分を一直線に突き出して、マンティアンの顔面を捉える。

天然の装甲を持たないから皮膚そのものは地球人と大差なく打撃の威力を高めてくれるのは期待できなくても、まっすぐ一直線に突き出すことで腕そのものを<丸太>のようにするんだ。丸太で突いているようなものだな。

「ギッッ!?」

これには若いマンティアンも頭を弾かれるようにしてのけぞらせ、面食らう。

マンティアンとしての筋力を活かして、しかも相手からは<点>にしか見えない真っ直ぐな打撃は、慣れていないと捉えるのが難しいそうだ。動いていると認識しづらいらしい。気付いた時にはもう反応できないとも。

もちろん、そういう攻撃があることを知っていればあらかじめ対処法もあるが、知識がなく初見ではさすがにな。

さらに、のけぞった若いマンティアンの顔面に、追撃が。

メイだった。母親のれいの体の陰に隠れていた彼が飛び出して、蹴りを放ったんだ。これも、

<外見上は六歳程度の幼児>

のそれとはまったく思えない、

<地球人の格闘のプロ>

に匹敵するものだった。

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