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第四世代

丈編 逆に危険

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食事のために密林に入ったれいとメイに近付いていたのは、野生のマンティアンだった。

しかも、じょうりくの縄張りを狙ってきた若いマンティアンだ。俺には区別は付かなくてもエレクシアにはしっかりと見分けられるし、今では俺もある程度は分かるようになってきたよ。

そのマンティアンが、二人を狙っていたんだ。

もちろん、若いマンティアンが侵入していたのは早々に把握できていたし、対処するために最も近くにいたドーベルマンDK-a拾弐じゅうに号機を向かわせてもいたけどな。

その上で、敢えてすぐには干渉せず、まずは樣子を窺う。

地球人の場合には眉を顰められる対応かもしれないが、ここでは逆に過度な干渉こそが好ましくないというのは間違いなくあるんだ。

実際、

「……」

れいは早々に気配を察して緊張感を漂わせていたし、メイも少し遅れてではあったものの、おそらく母親が体に漲らせていた緊張感にてられたというのもあったんだろうとは思われるものの、しっかりと臨戦態勢に入っているのが分かった。

あまり干渉して先回りして何もかも危険を排除していてはこういう感覚が鈍ってしまう可能性もあるしな。それは、今の時点ではまだ逆に危険だろう。自ら危険を察知して対処できることが、まだまだ必要な状況だ。

そういう感覚もやがては失われていくとしても、わざわざ鈍らせていくのも違うだろうしな。

いずれにせよ、れいもメイも、自身で対処することを前提としてくれている。だから、もう近くまで来ている拾弐じゅうに号機は、まずは待機だ。

しかも、れいやメイを挟んで反対側には、ホビットMk-Ⅱも駆け付けている。駆け付けた上で、待機する。

メイはそこまでは気付いていないようだが、れいは確実にそちらに視線を送って確認したのが見て取れた。

もっとも、拾弐じゅうに号機やホビットMk-Ⅱをあてにするためでないのは、彼女が放っている緊張感から十分に察せられる。必要とあれば躊躇なく利用するとしても、最初から頼るわけじゃないというだけだ。

一方で、二人を狙っている若いマンティアンは、そこまでは気付いていないか。

拾弐じゅうに号機を見ればすぐさま撤退するようになっていたのが、まだその様子も見えないしな。

いずれにせよ、れいやメイでは対処できないとなれば、躊躇うことなく割って入る用意はある。その点については譲れない。

だが、そんな俺の思いなど関係なく、れいとメイは、茂みの中から襲いかかってきた若いマンティアンを、臆することなく迎え撃つ。

れいは、イレーネを母親代わりにして育ったことで、やはりその体の使い方を学んでいて、鎌の攻撃を危なげなく逸らしてみせたんだ。

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