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第四世代

深編 キャラクターとしての忍者

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そんな調子で、まどかとホビットMk-Ⅱによる<鬼ごっこ>が始まった。

でもまあさすがにこうなってくるとホビットMk-Ⅱだけじゃ心許ないからそれについてはまた別に対処もしておくものの、取り敢えずはそんな鬼ごっこの様子を見守ることに。

まどかは、本当に自由自在に樹上を移動する。サルと言うか、映像コンテンツの中に出てくる、<キャラクターとしての忍者>そのものの動きだ。地球人の忍者だとさすがにそこまでの動きはできないだろう。どれほど鍛えられていても身体能力そのものは地球人じゃ、限界はずっと低いはずだしな。

なのにまどかは、映像処理を行わなくてもアニメーションで再現しなくても、<キャラクターとしての忍者>なんだよ。彼女が地球人社会でスタントマンとして働けば、まさしく、

<リアルな動き>

でキャラクターとしての忍者を再現できるだろうな。でもまあ、それすら、ここじゃ<普通>でしかない。むしろ純粋なパパニアンにはわずかに及ばないのも事実だ。

それでも、地球人そのものの姿をした女性がその動きをしてみせるというのは、なかなかに見どころがある。画像処理やアニメーションじゃ決して出せない<リアルさ>をもった光景だ。

しかしそんな彼女に、ドローンのサポートがある前提とはいえなんとかついていけているホビットMk-Ⅱも大したものだ。生身の地球人だとすぐさま疲れてしまって振り切られるだろうが、

『生身の地球人よりは僅かに高いパフォーマンスを発揮できる』

程度のホビットMk-Ⅱではあっても、『疲れない』から、<ほぼ最大稼働>をずっと続けることができるんだ。これがまた強みでもある。『疲れない』『休息が不要』なことで、機体そのものの性能はアレでも、実際には生身の地球人以上の働きができているのが改めて確認できる。

生身の地球人でも、一瞬ならついていくことだってできなくはないだろう? それなりの身体能力を持つ者なら。その<一瞬>がずっと続くんだよ。

加えて、何度も言うようにドローンとの連携により、最適化された高効率な動きを行うこともできるがゆえに、かろうじて振り切られずに済んでいるということだ。

もちろん、まどかとしては本気で逃げてるんだろうさ。しかし、だからこそ全力で体を動かすことになる。するとだんだん、彼女の頬が紅潮し、やや険しかった表情が緩んできた。全力で体を動かしているうちに楽しくなってきたんじゃないかな。

本気で逃げるためのそれがいつしか、本当に<鬼ごっこ>になってきたってことかもなあ。

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