未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

深編 鬼ごっこ

『ついてこないで！』

和まどかを守るためについてこようとするホビットMk-Ⅱに対してそう言い放った彼女ではあるものの、実は、密林のあちこちに配置されたドローンが常にカメラで彼女の姿を捉えているんだよな。

龍準りゅうじゅんや龍昇りゅうしょうらの件及び、萌花ほのかの一件もあって、さらにドローンの数を増やしたんだ。普段から飛び回ってるわけじゃなく、木の枝などにとまって監視カメラとして機能してるのが大半ではありつつ。

飛行して敢えて存在を認知させる場合もあるんだが、普段はただ飛んでいてもエネルギーの無駄だし。

そういう意味でも、ホビットMk-Ⅱの姿が見えない状態で見守ることは不可能じゃない。ドローンで彼女を捉えつつ、少し離れたところからついていけばいいと考えることもできるだろう。

ただ、ホビットMk-Ⅱの性能的に、それじゃ対応が間に合わない可能性も否定できないんだ。それは困る。

『一人になりたい』

という和まどかの意向も蔑ろにはしたくないが、彼女に対して、

『自分は常に守られている』

ってのを自覚してもらうのも大事だったりするんだよな。

守られてることをあてにして無茶をする奴も地球人社会にはなるほどいただろう。どんなに無謀なことをしてもいざとなれば助けてもらえるのを分かっててやる奴が。

そういうのも困りものではありつつ、そういう輩がいるからといって即応体制を緩めてしまって取り返しのつかないことになったらそれこそ目も当てられない。その手の＜困った奴＞については、その都度、損害賠償請求などの形で＜お灸＞を据えることになっていた。地球人社会では。

ここでもそうなるかどうかは今のところ分からないものの、別に和まどかはそういうタイプじゃないのはよく分かってる。だったら放っておくわけにもいかないさ。

となればホビットMk-Ⅱも彼女を追って移動を始める。健気にも見える姿で。

和まどかの方も、

「……もう……！」

と怒ったように口にしながら、表情そのものはそれほど怒っている様子じゃなかったりも。エレクシアも、

「反発はしつつも、ホビットMk-Ⅱの存在に安心している面も見られます」

などと解析してくれた。だからそのまま、ホビットMk-Ⅱをついていかせる。

これが本気で反発していたらさすがに少し対応を変える必要もあるけどな。じゃないとさらにムキになって一層の無茶をする可能性もあるし。それは困る。

そんなわけで、和まどかとホビットMk-Ⅱの＜鬼ごっこ＞が始まってしまった。

ホビットMk-Ⅱを振り切ろうとする和まどかと、振り切られまいとするホビットMk-Ⅱの。