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第三世代

新編 ホビット

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いろいろなことが充実し、ロボットも進化していくはずが、逆に先祖返りを起こすという事態に、何とも言えない複雑な気持ちもありつつ、

『材料が確保できない』

という現実を見るなら、この選択はむしろ当然なんだろうな。

その一方で、ドーベルマンMPMやアリスシリーズやドライツェンシリーズの運用により得られたデータについてはもちろん残しておいて、いずれ高性能な素材が得られるようになった時に改めてロボットを開発する際に役立てられればと考えてる。

だからこそ今は、現状で確保できるものを確保するんだ。

こうして出来上がった<試作品一号>を<ホビット>と名付け、正式に、

<ホビットMk-Ⅰ>

が完成した。

「あはは♡ 可愛いじゃん!」

あかりは、少々不格好ながらどこかカニのような感じでちょこちょこ動くホビットMk-Ⅰを見て、笑顔になってくれた。

ビアンカや久利生くりうも、

「愛嬌がありますね♡」

「うん。悪くないんじゃないかな」

とは言ってくれた。

半分は社交辞令のようなものだとしても、彼女らは、必要なことなら忌憚なく意見を述べてくれる。二人がこう言うということは、現状では他に対処のしようもないということを理解してくれてるんだと思う。

今後、アリスシリーズやドライツェンシリーズとドーベルマンMPMの比率をどうするかについてと共に、

『コーネリアス号をどこまで解体し、資材を転用するか?』

という部分については、シモーヌと共に二人にも意見を求めないといけないと思う。

また、現状では判断を保留している、

<AIが起動しないため運用できないフローティングヘリ>

についても、このままいつか使えるようになるのを期待して保管するか、解体して資材に転用するかを検討していかないといけないしな。

もし、フローティングヘリを資材に転用できれば、さらにドーベルマンMPM五十機分の材料を確保することができるらしい。

だがその一方で、一度解体してしまうと、おそらくもう二度と同じものは作れないというのも事実なんだ。素材の件もそうだし、何より、それを作れるだけの設備が用意できない。その設備そのものを作るにも、一部の資源惑星でしか産出されていないレアメタルが必要だという。

正直、俺には判断できなかった。ここまでは判断する必要がなかったというのもあるが、アリスシリーズやドライツェンシリーズがどれほど必要になるかも検討しないといけないし、エレクシアのアドバイスだけで俺が判断するのは、いろいろ問題も出てくるだろうな。

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