映画より綺麗な君の死化粧

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※5月17日〜既存エピソード改稿・これからリメイク版を更新していきます※

「わたしね、実は映画の中だけじゃなくて、本当に病気なんだ」

 中学三年の四月。僕――白鷺新汰(しらさぎ あらた)の通う学校に、ひとりの美少女が転校してきた。
 彼女の名前はサクラノハナミ。一昨年に公開された大ヒット恋愛映画で主演を務めた有名女優だ。

 映画やドラマを見ると吐き気やめまいを催す謎の症状から、彼女のファンになれなかった僕。
 彼女と同じクラス委員になったことから、僕らの関係は動き出す。

「本当にね、余命宣告、されたんだ」

 元気そうに見える姿からは信じられない、彼女の一度目の告白。嘘か冗談だと思った。
 意味ありげな態度に、他のクラスメイトの前では気丈に振る舞う姿。僕は何を信じていいのかわからない。

 修学旅行の日の夜。彼女は僕に二度目の告白をする。ようやく過去の闘病生活について教えてくれたことで、彼女の嘘は終わったはずだった。

 数々の行事で青春を謳歌して、距離を近づけていく僕たち。

 卒業式の日。別れる前にと彼女への恋心を明かす僕に、彼女は三度目の告白を――「本当の病状と余命」の告白をする。

 僕が映像作品を見られなくなった理由とは。
 彼女が最後まで隠し続けたある症状とは。

 これは、死の瞬間まで「女優」として生きた彼女と、彼女との思い出を綴って生きる小説家志望の「僕」の話。
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