失恋から始まる物語

　東京の大学で情報系の学部を卒業し、そのまま東京の新聞社に入社した白石　彩（しらいしあや）二十六歳（女）だったが、芸能人に対する出鱈目な記事を載せることに嫌気がさした彩は退社後、青森県の中途半端な田舎の住居とスーパーの跡地が混在する建物を自身の会社として立ち上げた。
　そして、高校の卒業式の日に告白して振った男子生徒、宅間　大智（たくまだいち）二十四歳（男）が転職するために彩の職場に面接に来た。元は東京や大阪などの大都会でSATの隊員として所属していたが、組織の汚職や不祥事を目の当たりにし自分はこのままでいいのかという疑問を持つようになり、安定した国家公務員を辞職した。そしてその流れで地方の小さい新聞社の広告をインターネットで偶然見つけ転職する。
　数年後、二人の間に2つの子宝が授かる。そして2人目の子供を無事出産し終え、退院した数日後の同窓会でレズビアンの元同級生の女友達と再会する。その一人はレズビアンの海堂　愛（かいどうめぐみ）二十七歳（女）で高校の修学旅行には一緒に寝たことがある。そんな中BBQを新聞社の前で行うことになった。同窓会には仕事の都合で出席しなかった川崎　茜（かわさきあかね）二十七歳（女）に数年ぶりに再会し彼女の口からレズビアンとカミングアウトされる。
　数週間後、大智、彩、愛、茜で海の近くの旅館に泊まる事になった。楽しい旅行になるはずが、愛と茜は口げんかになってしまう。