354 / 680
第9章 外伝2 〜英雄〜
第三百四十五話 少しの疑問
しおりを挟む
「かは…ゴホッ…オエ」
嗚咽と共に少し固まった固体と滝の様な涎を垂らしながら、カイトは立ち上がる。
「大丈夫か、メグミ…」
「うん、カイト君こそ」
アリアの重力操作の力でメグミをカイトの上に落としている為、自然とカイトがメグミを退かす形となる。
「それで、あのメスが兄様の義理の姉」
「ああ、さっきミュウが言っただろ?メグミ•マクラレン、カイトの好感度アップの力で変わった女だ。」
エイトはアリアにメグミについて改めて説明した、口だけで言うと説得力がないが、こうやって面と向かって言うと現実味が出るからだ。
「好感度アップ?」
「いや、あれは違うじゃろ?」
「え?」
しかしアリアとエルは「何を言っているの?」状態になっていて、エイトは困惑する。
「そうさ…僕はそんな事をしていない。」
まだエイトの蹴りが効いているのだろう、右手で腹を抑える。
「僕の真実の愛によってみんな正気に戻っているだけさ!君の様に洗脳魔法を使って皆を苦しめているわけではない!」
「本当か?」
「いえ、違います。」
「主様が洗脳魔法?ワシ達にそんなものが効くと思っておるのか?」
一応念の為エイトはアリアに聞くが即答された、そしてエルの言う通りで、いくら英雄でも厄災と暗黒神(の片割れだが)の2人にそんな魔法が効くわけない。
「じゃあなんなの?」
「好感度アップだと女神アマスから聞いていましたけど…」
ミュウとシルフィの意見はごもっともだ、ずっと好感度アップだと思っていたのに、実は違うと知れば普通はこうなる。
「ミュウ姉様、シルフィ姉様、今はその話は後でお願いします。」
「うむ、ずっと使って来るので鬱陶しいのじゃ…!!」
そう言ってアリアとエルはカイトを睨みつける。
「ん?その子達は?…まさかこのモブの被害者か!?」
「あんな小さな子にまで…許せない…!!」
流石はご都合主義のカイトとそれを信じるメグミ、アリアとエルをエイトに洗脳された被害者だと思い込んでいる。
「君達!君達は騙されているんだ!そんな社会のゴミの側にいてはいけない!僕の所へ来るんだ!」
「大丈夫よ!カイト君は勇者なの!世界を救う正義の味方よ!安心して良いわ!」
カイトとメグミはそう叫んだ後、エイトの方を見てドヤ顔をする、どうやら図星をつかれて動揺しているエイトを見ているらしい。(勿論思い込んでいるだけだが)
「…兄様…殺しても良いですか?」
「主様…彼奴は嫌いじゃ、視界に入るのすら不愉快じゃ…殺す。」
「アリア、エルちゃん、ストップ、アイツを殺すと後が面倒くさい…同感だけど。」
貴族社会で生きていくとなると、勇者と言う肩書きを持っているカイトはとても迷惑な存在なのだ。
殺したらカイトの素性を知っていようとも宗教団体などが黙っていないだろうし、勇者を絶対正義だと思い込んでいる王族達にどんな目に遭うかわからない。
エイトが厄災を倒し、勇者カイトよりも利点があると思わせないと容易に裁けないのだ、それが世の中と言うものだ。
「それに…メグミだけなのが不思議なんだ、アイとサユリはどうした?」
「別行動をしているだけでしょ?」
と、エイトの質問にミュウが答える。
「まぁ、そうだよな」とエイトは言って剣を顕現させる。
「村の中で戦うのは村人の迷惑だ…外に出て決着をつけるぞ?」
と、エイトは提案する。
「へぇ、モブの癖にイキんなよwま、どうせ僕が勝つから良いけどw」
「うっかり殺しちゃったら…許してね♪」
カイトとメグミも言い方はムカつくが良心はあるらしく了承してくれた。
「黙れアバズレ」「殺すぞ牝豚」
「兄様を愚弄するなゴミ虫」
「主様に変わってワシが殺す」
ミュウ達はハイライトをオフにして、メグミ達に対して、ドス黒い殺気を込める。
「…絶対に殺すなよ?死なない程度に痛めつけろよ?」
と、エイトもゲスな事を言いながら村の外へと向かって行った。
——————————————————————
アリアとエルも徐々にミュウ達みたいになっている…
嗚咽と共に少し固まった固体と滝の様な涎を垂らしながら、カイトは立ち上がる。
「大丈夫か、メグミ…」
「うん、カイト君こそ」
アリアの重力操作の力でメグミをカイトの上に落としている為、自然とカイトがメグミを退かす形となる。
「それで、あのメスが兄様の義理の姉」
「ああ、さっきミュウが言っただろ?メグミ•マクラレン、カイトの好感度アップの力で変わった女だ。」
エイトはアリアにメグミについて改めて説明した、口だけで言うと説得力がないが、こうやって面と向かって言うと現実味が出るからだ。
「好感度アップ?」
「いや、あれは違うじゃろ?」
「え?」
しかしアリアとエルは「何を言っているの?」状態になっていて、エイトは困惑する。
「そうさ…僕はそんな事をしていない。」
まだエイトの蹴りが効いているのだろう、右手で腹を抑える。
「僕の真実の愛によってみんな正気に戻っているだけさ!君の様に洗脳魔法を使って皆を苦しめているわけではない!」
「本当か?」
「いえ、違います。」
「主様が洗脳魔法?ワシ達にそんなものが効くと思っておるのか?」
一応念の為エイトはアリアに聞くが即答された、そしてエルの言う通りで、いくら英雄でも厄災と暗黒神(の片割れだが)の2人にそんな魔法が効くわけない。
「じゃあなんなの?」
「好感度アップだと女神アマスから聞いていましたけど…」
ミュウとシルフィの意見はごもっともだ、ずっと好感度アップだと思っていたのに、実は違うと知れば普通はこうなる。
「ミュウ姉様、シルフィ姉様、今はその話は後でお願いします。」
「うむ、ずっと使って来るので鬱陶しいのじゃ…!!」
そう言ってアリアとエルはカイトを睨みつける。
「ん?その子達は?…まさかこのモブの被害者か!?」
「あんな小さな子にまで…許せない…!!」
流石はご都合主義のカイトとそれを信じるメグミ、アリアとエルをエイトに洗脳された被害者だと思い込んでいる。
「君達!君達は騙されているんだ!そんな社会のゴミの側にいてはいけない!僕の所へ来るんだ!」
「大丈夫よ!カイト君は勇者なの!世界を救う正義の味方よ!安心して良いわ!」
カイトとメグミはそう叫んだ後、エイトの方を見てドヤ顔をする、どうやら図星をつかれて動揺しているエイトを見ているらしい。(勿論思い込んでいるだけだが)
「…兄様…殺しても良いですか?」
「主様…彼奴は嫌いじゃ、視界に入るのすら不愉快じゃ…殺す。」
「アリア、エルちゃん、ストップ、アイツを殺すと後が面倒くさい…同感だけど。」
貴族社会で生きていくとなると、勇者と言う肩書きを持っているカイトはとても迷惑な存在なのだ。
殺したらカイトの素性を知っていようとも宗教団体などが黙っていないだろうし、勇者を絶対正義だと思い込んでいる王族達にどんな目に遭うかわからない。
エイトが厄災を倒し、勇者カイトよりも利点があると思わせないと容易に裁けないのだ、それが世の中と言うものだ。
「それに…メグミだけなのが不思議なんだ、アイとサユリはどうした?」
「別行動をしているだけでしょ?」
と、エイトの質問にミュウが答える。
「まぁ、そうだよな」とエイトは言って剣を顕現させる。
「村の中で戦うのは村人の迷惑だ…外に出て決着をつけるぞ?」
と、エイトは提案する。
「へぇ、モブの癖にイキんなよwま、どうせ僕が勝つから良いけどw」
「うっかり殺しちゃったら…許してね♪」
カイトとメグミも言い方はムカつくが良心はあるらしく了承してくれた。
「黙れアバズレ」「殺すぞ牝豚」
「兄様を愚弄するなゴミ虫」
「主様に変わってワシが殺す」
ミュウ達はハイライトをオフにして、メグミ達に対して、ドス黒い殺気を込める。
「…絶対に殺すなよ?死なない程度に痛めつけろよ?」
と、エイトもゲスな事を言いながら村の外へと向かって行った。
——————————————————————
アリアとエルも徐々にミュウ達みたいになっている…
0
お気に入りに追加
886
あなたにおすすめの小説
高校デビューを果たした幼馴染みが俺を裏切り、親友に全てを奪われるまで
みっちゃん
恋愛
小さい頃、僕は虐められていた幼馴染みの女の子、サユが好きだった
勇気を持って助けるとサユは僕に懐くようになり、次第に仲が良くなっていった
中学生になったある日、
サユから俺は告白される、俺は勿論OKした、その日から俺達は恋人同士になったんだ
しかし高校生になり彼女が所謂高校生デビューをはたしてから、俺の大切な人は変わっていき
そして
俺は彼女が陽キャグループのリーダーとホテルに向かうの見てしまった、しかも俺といるよりも随分と嬉しそうに…
そんな絶望の中、元いじめっ子のチサトが俺に話しかけてくる
そして俺はチサトと共にサユを忘れ立ち直る為に前を向く
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
冤罪で自殺未遂にまで追いやられた俺が、潔白だと皆が気付くまで
一本橋
恋愛
ある日、密かに想いを寄せていた相手が痴漢にあった。
その犯人は俺だったらしい。
見覚えのない疑惑をかけられ、必死に否定するが周りからの反応は冷たいものだった。
罵倒する者、蔑む者、中には憎悪をたぎらせる者さえいた。
噂はすぐに広まり、あろうことかネットにまで晒されてしまった。
その矛先は家族にまで向き、次第にメチャクチャになっていく。
慕ってくれていた妹すらからも拒絶され、人生に絶望した俺は、自ずと歩道橋へ引き寄せられるのだった──
ダブル魔眼の最強術師 ~前世は散々でしたが、せっかく転生したので今度は最高の人生を目指します!~
雪華慧太
ファンタジー
理不尽なイジメが原因で引きこもっていた俺は、よりにもよって自分の誕生日にあっけなく人生を終えた。魂になった俺は、そこで助けた少女の力で不思議な瞳と前世の記憶を持って異世界に転生する。聖女で超絶美人の母親とエルフの魔法教師! アニメ顔負けの世界の中で今度こそ気楽な学園ライフを送れるかと思いきや、傲慢貴族の息子と戦うことになって……。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜
純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」
E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。
毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。
そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。
しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。
そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。
『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。
「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」
「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」
これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。
※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。
家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから
ハーーナ殿下
ファンタジー
冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。
だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。
これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる