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第五章〜外伝〜 カルデア学園の3年間 高等部編

第百三十九話 救世主

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ミュウ父「やっぱり………お前のせいだな?」

腹を抑えながら、ミュウの父は怒りの目をエイトに向ける、ミュウはエイトの庇いながら殺意の目を向ける

ミュウ父「私の娘は実の父親に手をあげる様な娘ではない…何か洗脳の類でもかけたのだな?」

エイト「ゲホッゲホッ…なんで…私が…ミュウに…」

執事長「ミュウだろ!!!」

そう言ってもう1回蹴り飛ばそうとした執事長にシルフィがメイド服のスカートの中から短剣を取り出し執事長の首元に突きつける
(ガーターベルト?パンツ?見たいのが見えたが黙っておく)

執事長「!?」

シルフィ「執事長、少しおいたが過ぎますよ?彼はお客人です、それでも貴族の執事ですか?」

シルフィ(しかし、先程と違ってこうも交戦的でしたか?)

人は見かけによらないと言えばその程度だが、エイトに対する仕打ちはあまりにも酷すぎる

執事長「黙れ!貴様、私に歯向かうつもりか!?」

シルフィ「構いませんよ?使える人が変わるだけですから」

執事長「な!?」

お金の面は冒険者にでもなればその日暮らし程度には働けるだろう
学園も退園してもエイト達さえ入ればそれで良い

執事長「き…貴様…正気か!?こんな奴の為に全てを捨てるつもりか!?」

ミュウ「こんな奴?貴方には彼の良さがわからないのですね?」

ミュウ父「いや、執事長が正しい、コイツなんかよりもカイトの方が何倍も良いではないか!それが嫌なら他の良い貴族の男を見つける、そんな奴の為に己の地位を捨てるなんて馬鹿のする事だ!」

ミュウの父の言ってる事は理解出来る
普通貴族の生活に慣れてしまっている人が庶民の生活なんて出来るはずがない

生活の仕方が全く違うのだ
基本的に貴族はメイドや執事などの手伝いと呼ばる人達に自分達の世話をしてもらう

だからこそ自分でやると言う日本で現すと
3.4歳児がやる様な事も出来ないのだ
(極論だが本当に出来ない人もいる)

つまり、シルフィなら兎も角、ミュウなんかは普通そんな事出来ないのだ
更に言えば金銭面の感覚が違うのだ

平民(一般人)の10000円と
貴族(公爵家)の10000円では価値観が違う
我々からすれば10000円は大金だが
相手からすれば紙切れの1枚に過ぎないのだ

そんな人達が平民達と同じ暮らしなぞ不可能に近いのだ

ミュウ「馬鹿で結構、エイトと結婚出来るならこんな家、すぐにでも出て行くわ」

しかし、忘れてはいけないのは、ミュウは元アメリカ人、更に言えばこの世界でも金銭感覚は平民と変わりはなく

もう1つ言えば、この世界の割引セールの時に「買い時だ!」とシルフィと共に服屋に殴り込みに行った事があるのだ
(その時の姿は熟練の主婦と変わりはなかったby.付き添いのエイト)

簡単に言えば、駆け落ちと言う手段もやろうと思えば簡単に出来るのだ
(した所でミュウの父が捕まえに来るので最終手段だが)

ミュウ父「………やはり洗脳されているな」

執事長「その様ですね、私達にここまでの事をするなんて、もはや彼は危険人物です」

ミュウ父「そうだな、ここまで危険な男だとは思いもよらなかったよ」

ミュウ「………」

シルフィ「………」

一瞬即発の状況の中
後ろから手をパンッと叩く音が聞こえ
後ろを振り返る

ミュウ母「全く…少し考え過ぎではありませんか?」

ミュウ「お母様!?」

そこにはミュウの母が立っており倒れ込んでいるエイトの所まで行き、エイトを起こす

ミュウ母「貴方も大変ねぇ」

エイト「ええ…まぁ慣れてますから」

カイトのせいでとは言わないが、ミュウの母なら何となく察してくれるだろう

アリアン「何故此処に?」

ミュウ母「どうせ面白そうだから来てみたの」

と満面の笑みで答えるが、エイト達にとっては女神の微笑みだった

ミュウ母「さて…と、で?何か弁解の余地は?」

そう言って顔面蒼白のミュウの父に問い掛ける

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貴族の設定って難しいですねぇ(⌒-⌒; )



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