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二十話
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「シセルは……『私を独占したい』って♡……思った?」
(俺は……ルーナを独占……したいの、か?)
まるで、既にそう決まっているかのようなルーナの発言が彼の脳へと響いた。魔性モードとなったルーナの声は、あらゆる男性を骨抜きにしてしまうのではないかと思う程に甘ったるく、危うく洗脳されそうになるシセル。
「ふふっ! そんなカオしちゃって、どうしたの~? これからシセルに好きになって貰お~って頑張るつもりだったけど……もう大丈夫そうかなぁ♡」
「……っ」
(いやいや、待て待て待てッ! そもそも! 両親に『私達が推薦するから、あの子を一緒の学校に誘ってみたら?』と言われてバックれるなんて、相手が相当嫌いな人間でもない限りしないだろッ! ルーナに対して興奮するのも『すきすきちゅっちゅ』をした事によって湧き出てきた……ただの性欲だッ! これはまだ恋愛感情でも独占欲でもない! という事はつまり、俺はロリコンでは無いッッ!!)
一瞬、本当にそう思っていたのかと錯覚してしまいそうだったが……何とか冷静さを取り戻す事に成功するシセル。……別に誰もシセルの事をロリコンだとは言っていないのだが、何故か本能で自身の心にそう言い聞かせる。
「そういえば……レアが私と『すきすきちゅっちゅ』したいって言った時も、シセルが話を変えたよね!」
「えっ『すきすきちゅっちゅ』!?」
『すきすきちゅっちゅ』という単語に異常な反応を見せるレアに視線を向けつつも、シセルは思考を続ける。
「それは俺が……レアをこんな悲しき変態へと変貌させてしまった事に対しての、せめてもの罪滅ぼしとしてやった事だ。……こんな事、言わせないでくれ! くそっ、そんな姿になって……すまない、レア」
『すきすきちゅっちゅ』に吸い寄せられる生物と化したレアから視線を逸らし、彼はそう呟く。
「そ、そうなんだ。じゃ、じゃあ! 私とレアが、今すぐここで『すきすきちゅっちゅ』しても何も問題ないって事だよねッ!」
「えッ! 僕とルーナが『すきすきちゅっちゅ』しても問題ないのッ!?」
(──なん、だとッ!?)
「ふふっ、そんなショックを受けたような表情しちゃって……私とレアが『すきすきちゅっちゅ』するのは、やっぱりヤダ?」
「……シセル、僕。ルーナと『すきすきちゅっちゅ』したいよッ!」
「……ちょっとレアは黙っててね?」
まるで安〇先生に懇願する三〇のように、泣きながらそんな言葉を宣うレアに対して、かなり冷たい態度をとるルーナ。
(レアの中身……精神を考えると、それは男と女の『すきすきちゅっちゅ』で間違いない。その上、もはやホンモノの変態となってしまったレアとルーナが『すきすきちゅっちゅ』するのは色々とヤバいので止めなければならないというのも間違いない。間違いないのだがッ! 俺視点、そして第三者から観れば……肉体の性別的には女の子同士の『すきすきちゅっちゅ』で、全然普通に百合に見えるワケで……これは『百合ちゅっちゅ』と考えてもイイのではないだろうカッ! そして、何より……俺は百合を見てると心が洗われるタイプの人間だッ!!)
どうにかしてシセルを焚きつけようとするルーナ……だが残念、彼は『変態』であった。
「あぁ……全ッ然問題ないぞッ!! 今すぐやってくれッ! やって俺に見せてくれッ!」
「だってルーナっ! 僕と『すきすきちゅっちゅ』しようよッ!」
「えぇっ! シセル……本当に問題なさそうにしてるっ!? ……じゃ、じゃあ、まだシセルは私のコトが好きになった訳じゃないのかな」
──たま~に現れる魔性な一面……『魔ルーナ』が引っ込み、いつものルーナへと戻る。それを見たシセルは、一々煩わしいレアを完全にスルーして話を進めた。
「まぁ、とりあえず……何をするにしても、ルーナに選択権があるんだ。家に来るにしても、セントラム学園に一緒に入学するにしても、レアと『すきすきちゅっちゅ』するにしても……な?」
「……そっか。レアとは友達だけど……『すきすきちゅっちゅ』はする気ないから! 先に言っておくね?」
「……えっ」
その言葉に絶望したのか、真っ白になって地面に倒れるレアを見て──レアよ、自身を持て。やはりお前はしっかりと立派な男だ! と腕を組みながら頷くシセル。
「……うん、ヨシ! ちょっとお母さんに話してくるから、シセル達はお家で待ってて?」
暫く考えていた様子のルーナは……何かを思いついたのか、突然そんな事を言い始めた。
「あ、あぁ、分かった。じゃあ、家の人達には後でルーナが来るって伝えておくから、好きな時間に来てくれ」
「うん! またね!」
そう言ってルーナは、シセルの住んでいる屋敷とは別の方向……おそらく、自宅の方へと向かって走って行った。
「さてと……お~いレア~? 生きてるか~?」
「……僕……す……ちゅっ……ちゅ」
彼は放心状態のレアに話しかけるが、全く耳に入っていない様子だ。
「ほら、帰るぞッ!」
「……シセル?」
漸く意識が帰ってきたレアは、おもむろにシセルの顔をしばらく見つめると……何かを思い出したかのような反応をした後、急激に元気を取り戻す。
「シセル! 帰ろうかッ!」
「……ん? お、おう。何だ急に……ビビるわ」
「なんでもないよ♪」
シセルは、レアの反応に一瞬違和感を持ったが、本人も然程気にはならなかった為、それを無視して直ぐに屋敷へと歩みを進める。
──例えここでそれについて追求したとしても、もう手遅れなのだが……この時のシセルは、レアが夜な夜な行っている事に対して一ミリも気付く気配がなかった。
(俺は……ルーナを独占……したいの、か?)
まるで、既にそう決まっているかのようなルーナの発言が彼の脳へと響いた。魔性モードとなったルーナの声は、あらゆる男性を骨抜きにしてしまうのではないかと思う程に甘ったるく、危うく洗脳されそうになるシセル。
「ふふっ! そんなカオしちゃって、どうしたの~? これからシセルに好きになって貰お~って頑張るつもりだったけど……もう大丈夫そうかなぁ♡」
「……っ」
(いやいや、待て待て待てッ! そもそも! 両親に『私達が推薦するから、あの子を一緒の学校に誘ってみたら?』と言われてバックれるなんて、相手が相当嫌いな人間でもない限りしないだろッ! ルーナに対して興奮するのも『すきすきちゅっちゅ』をした事によって湧き出てきた……ただの性欲だッ! これはまだ恋愛感情でも独占欲でもない! という事はつまり、俺はロリコンでは無いッッ!!)
一瞬、本当にそう思っていたのかと錯覚してしまいそうだったが……何とか冷静さを取り戻す事に成功するシセル。……別に誰もシセルの事をロリコンだとは言っていないのだが、何故か本能で自身の心にそう言い聞かせる。
「そういえば……レアが私と『すきすきちゅっちゅ』したいって言った時も、シセルが話を変えたよね!」
「えっ『すきすきちゅっちゅ』!?」
『すきすきちゅっちゅ』という単語に異常な反応を見せるレアに視線を向けつつも、シセルは思考を続ける。
「それは俺が……レアをこんな悲しき変態へと変貌させてしまった事に対しての、せめてもの罪滅ぼしとしてやった事だ。……こんな事、言わせないでくれ! くそっ、そんな姿になって……すまない、レア」
『すきすきちゅっちゅ』に吸い寄せられる生物と化したレアから視線を逸らし、彼はそう呟く。
「そ、そうなんだ。じゃ、じゃあ! 私とレアが、今すぐここで『すきすきちゅっちゅ』しても何も問題ないって事だよねッ!」
「えッ! 僕とルーナが『すきすきちゅっちゅ』しても問題ないのッ!?」
(──なん、だとッ!?)
「ふふっ、そんなショックを受けたような表情しちゃって……私とレアが『すきすきちゅっちゅ』するのは、やっぱりヤダ?」
「……シセル、僕。ルーナと『すきすきちゅっちゅ』したいよッ!」
「……ちょっとレアは黙っててね?」
まるで安〇先生に懇願する三〇のように、泣きながらそんな言葉を宣うレアに対して、かなり冷たい態度をとるルーナ。
(レアの中身……精神を考えると、それは男と女の『すきすきちゅっちゅ』で間違いない。その上、もはやホンモノの変態となってしまったレアとルーナが『すきすきちゅっちゅ』するのは色々とヤバいので止めなければならないというのも間違いない。間違いないのだがッ! 俺視点、そして第三者から観れば……肉体の性別的には女の子同士の『すきすきちゅっちゅ』で、全然普通に百合に見えるワケで……これは『百合ちゅっちゅ』と考えてもイイのではないだろうカッ! そして、何より……俺は百合を見てると心が洗われるタイプの人間だッ!!)
どうにかしてシセルを焚きつけようとするルーナ……だが残念、彼は『変態』であった。
「あぁ……全ッ然問題ないぞッ!! 今すぐやってくれッ! やって俺に見せてくれッ!」
「だってルーナっ! 僕と『すきすきちゅっちゅ』しようよッ!」
「えぇっ! シセル……本当に問題なさそうにしてるっ!? ……じゃ、じゃあ、まだシセルは私のコトが好きになった訳じゃないのかな」
──たま~に現れる魔性な一面……『魔ルーナ』が引っ込み、いつものルーナへと戻る。それを見たシセルは、一々煩わしいレアを完全にスルーして話を進めた。
「まぁ、とりあえず……何をするにしても、ルーナに選択権があるんだ。家に来るにしても、セントラム学園に一緒に入学するにしても、レアと『すきすきちゅっちゅ』するにしても……な?」
「……そっか。レアとは友達だけど……『すきすきちゅっちゅ』はする気ないから! 先に言っておくね?」
「……えっ」
その言葉に絶望したのか、真っ白になって地面に倒れるレアを見て──レアよ、自身を持て。やはりお前はしっかりと立派な男だ! と腕を組みながら頷くシセル。
「……うん、ヨシ! ちょっとお母さんに話してくるから、シセル達はお家で待ってて?」
暫く考えていた様子のルーナは……何かを思いついたのか、突然そんな事を言い始めた。
「あ、あぁ、分かった。じゃあ、家の人達には後でルーナが来るって伝えておくから、好きな時間に来てくれ」
「うん! またね!」
そう言ってルーナは、シセルの住んでいる屋敷とは別の方向……おそらく、自宅の方へと向かって走って行った。
「さてと……お~いレア~? 生きてるか~?」
「……僕……す……ちゅっ……ちゅ」
彼は放心状態のレアに話しかけるが、全く耳に入っていない様子だ。
「ほら、帰るぞッ!」
「……シセル?」
漸く意識が帰ってきたレアは、おもむろにシセルの顔をしばらく見つめると……何かを思い出したかのような反応をした後、急激に元気を取り戻す。
「シセル! 帰ろうかッ!」
「……ん? お、おう。何だ急に……ビビるわ」
「なんでもないよ♪」
シセルは、レアの反応に一瞬違和感を持ったが、本人も然程気にはならなかった為、それを無視して直ぐに屋敷へと歩みを進める。
──例えここでそれについて追求したとしても、もう手遅れなのだが……この時のシセルは、レアが夜な夜な行っている事に対して一ミリも気付く気配がなかった。
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