退魔師・久遠馨の心霊事件簿

未練を残して現世に留まる霊魂――地縛霊。未練は時が経つにつれやがて、悪霊へと変化していく。
楽になりたくともなれない哀れな地縛霊たちを、時に厳しく時に諭しつつ冥界へとあげる。それが退魔師である久遠家の仕事。
政財界にも太いパイプを持ち、世俗とは繋がりを絶ち、ひっそりと生きつつこの世ならざる者たちを導く。そんな久遠家の家督を嗣いだばかりの二十二歳の青年、馨(かおる)。
陰陽師の流れを汲む若き退魔師が、心霊がらみの事件を解決するため奔走する。

<第一部 白藤の情念>
某県にあるダム湖畔で失踪した婚約者を探して欲しいと依頼された馨。そこには冬になっても枯れない、不気味な白藤があった。その白藤にまつわる悲しい伝説が、口伝によりひっそりと伝えられていた。失踪した男性と伝説の関係とは何か。

<第二部・デッサン>
私立吉栁(きりゅう)女子学院高等部の美術準備室は、毎日夕方五時になると怪奇現象が起こるとの噂が二十年前から流れていた。
真相を確かめようと友人たちと一緒に美術準備室に行った円城寺佳奈(えんじょうじかな)は、そこで不気味な心霊写真を撮ってしまう。消そうにも消えない写真に困り果て、祖父の勧めで許婚の久遠馨に相談に行くことに。
二十年前から続く、美術準備室の怪異の真相とは何か。
24h.ポイント 21pt
0
小説 24,157 位 / 193,032件 キャラ文芸 300 位 / 4,617件

あなたにおすすめの小説

雛牡丹を摘む

夢見里 龍
現代文学
「はよう、摘み」襦袢のすそから差しだされた素脚には梅が咲きこぼれていた…… それは、病というには美しすぎた。 幼くして日本舞踊の華と称えられた娘・雛牡丹は病に倒れ、日舞の道を閉ざされる。 それは、才能があるものだけが罹患する《才咲き》という奇病であった。この病に侵されると、身体の一部に植物が根づき、花を咲かせる。それは桜や梅であったり、芭蕉であったりする。だが花が咲けば咲くほどに患者は衰えていき、やがては命を落とすのだ。 故に患者は、その花が咲かぬうちに莟を摘まねばならない。 雛牡丹の邸の下働きだった《僕》は、彼女の花を摘むことになる。 脚から梅のこぼれるその病を「美しい」といったことから、《僕》は雛牡丹に気にいられ、側務めに択ばれるが―――― これは驕慢に華であり続けた娘と、華に惚れた《僕》の物語である。 谷崎潤一郎さまの《春琴抄》のオマージュです。著作権保護期間が2016年に終了しているため、二次創作のタグはつけておりません。 素晴らしい小説に敬意を捧げて。 《春琴抄》をご存知ではない御方にもお楽しみいただけるように書かせていただきました。なにとぞ、広い御心にてお読みいただけますよう、よろしくお願いいたします。 * こちらはカクヨムさまにも投稿しています

キャロルの猫は紅茶がお好き

あた
キャラ文芸
私、八嶋アリスは紅茶を飲むと赤い線が見えて、気を失ってしまう。 ある日、友人たちと向かった紅茶専門店で倒れてしまい……。 京都の紅茶専門店で繰り広げられる、日常系カフェミステリー

あやかし神社へようお参りです。

三坂しほ
キャラ文芸
「もしかしたら、何か力になれるかも知れません」。 遠縁の松野三門からそう書かれた手紙が届き、とある理由でふさぎ込んでいた中学三年生の中堂麻は冬休みを彼の元で過ごすことに決める。 三門は「結守さん」と慕われている結守神社の神主で、麻は巫女として神社を手伝うことに。 しかしそこは、月が昇る時刻からは「裏のお社」と呼ばれ、妖たちが参拝に来る神社で……? 妖と人が繰り広げる、心温まる和風ファンタジー。 《他サイトにも掲載しております》

早贄は、彼岸の淵で龍神様に拾われる

束原ミヤコ
キャラ文芸
六谷蜜葉(むつたにみつは)は、六谷家の長女として生まれた。 父が早くに亡くなり、母の朱海が新しい父と再婚してから全てが変わってしまった。 母は妹の朱鷺子(ときこ)ばかりを可愛がり、蜜葉は使用人のように扱われるようになった。 そんな生活を続けていたある日、とうとう蜜葉は、古くからの村のしきたりである、龍神様の贄に捧げられることになる。 死を覚悟した蜜葉を拾い上げたのは、不器用で口数は少ないけれど、心根の優しい、かくりよに住まう龍神族の王、蓮華(れんか)だった。

ジェンダーレス・バーテンダー

牧村燈
キャラ文芸
行き倒れの少女を拾ってきた場末ビルの地下にあるバーの店長は、少女をバーテンダーとして仕込み店に立たせてた。少女は二つの闇を抱えていた。ひとつは途切れた過去。もうひとつは自身の性の在処に迷うジェンダーレスであるということ。バーテンダーの仕事を覚えた少女が、やっと見つけた自分の居場所。しかし、このバーには裏の顔があった......。

御伽噺の片隅で

黒い乙さん
キャラ文芸
 ブラック企業に10年努め、心身共に疲弊して退職後に新たな人生を歩む決意をした『茨城 悠斗』32歳。  寝る暇もない生活の中で彼が手に入れたのは使う暇もなく貯まったお金のみ。  趣味も気力も当然彼女も無い彼が求めたのは、ゆとりある生活。  そんな彼が最終的に行き着いた場所は、とある郊外の田舎町。  給料は安いけれどもしっかりとした福利厚生と、プライベートに時間を割ける環境を手に入れた悠斗は、この田舎町で生きていく決意をして今まで貯めたお金を使って1軒の中古住宅を購入した。  それは少々古いけれどもしっかりした造りの庭の広い2階建て家屋。  ブラック企業から逃げ出した時に家族との縁も切っていた悠斗にとってこれ以上ない環境だと思っていたのだが、購入した家はある“不思議な事が起こる”曰くありの物件で──。  これは人生に疲れ果てた男が緩やかに、そして、不思議な人達との交流によって自分を取り戻していく物語。 ※03話までは説明回です。04話~物語が動き出します。

ま性戦隊シマパンダー

九情承太郎
キャラ文芸
 魔性のオーパーツ「中二病プリンター」により、ノベルワナビー(小説家志望)の作品から次々に現れるアホ…個性的な敵キャラたちが、現実世界(特に関東地方)に被害を与えていた。  警察や軍隊で相手にしきれないアホ…個性的な敵キャラに対処するために、多くの民間戦隊が立ち上がった!  そんな戦隊の一つ、極秘戦隊スクリーマーズの一員ブルースクリーマー・入谷恐子は、迂闊な行動が重なり、シマパンの力で戦う戦士「シマパンダー」と勘違いされて悪目立ちしてしまう(笑)  誤解が解ける日は、果たして来るのであろうか?  たぶん、ない! ま性(まぬけな性分)の戦士シマパンダーによるスーパー戦隊コメディの決定版。笑い死にを恐れぬならば、読むがいい!! 他の小説サイトでも公開しています。 表紙は、画像生成AIで出力したイラストです。

(同級生+アイドル÷未成年)×オッサン≠いちゃらぶ

まみ夜
キャラ文芸
様々な分野の専門家、様々な年齢を集め、それぞれ一芸をもっている学生が講師も務めて教え合う教育特区の学園へ出向した五十歳オッサンが、十七歳現役アイドルと同級生に。 【ご注意ください】 ※物語のキーワードとして、摂食障害が出てきます ※ヒロインの少女には、ストーカー気質があります ※主人公はいい年してるくせに、ぐちぐち悩みます 第二巻(ホラー風味)は現在、更新休止中です。 続きが気になる方は、お気に入り登録をされると再開が通知されて便利かと思います。 表紙イラストはAI作成です。 (セミロング女性アイドルが彼氏の腕を抱く 茶色ブレザー制服 アニメ)