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*触れてみても構いませんか?

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日織ひおりさん、男の身体がどうなっているか、貴女はきっと、詳しくはご存知ないはずです……。ご覧になられる覚悟がおありですか? このまま僕に触れ続けるということは……そういうことなんですが」

 吐き出すようにおっしゃってから、私を試されるようにゆっくりとベルトの留め具をお外しになられた。

めるなら、今のうちですよ?」

 そこで私の瞳をじっと見下ろしていらしてから、優しく口づけを下さる。

 こんなに色っぽい修太郎さんのお顔を拝見するのは初めてで、心臓が今までにないくらい頑張って身体中に血液を送り出しているのがわかる。ドキドキいう鼓動が、耳鳴りのように頭の中で響いている気がする。

「今さらめるなんて……嫌、です」

 潤んだ目で修太郎さんを見上げながらふるふると首を横に振ると、修太郎さんが私の頬にそっと触れていらした。

「後悔しても、知りませんよ……」

 今聴こえてきた微かな金属音はファスナーの音?
 修太郎さんがご自身のスーツのズボンをくつろげていらしたのが視界の端に見えて。

 そこから取り出されたものに、私は息を呑んだ。

 自分が脱がされた時と同じぐらい――ともするとそれ以上に?――恥ずかしく感じてしまった。考えてみたら、私は修太郎しゅうたろうさんがそこをお開けになられたところを拝見したことがないし、もっと言えば他のどなたのだって見せて頂いたことはないわけで。

(お父様とお風呂に入っていたのだって、もうずいぶんと小さい頃の話。でもでも、お父様のはあんな風にはなっていなかった……)

 男の人が性的興奮を覚えると“おちになられる”というのは知識として知ってはいたけれど、頭でっかちに知っているのと、実際にの当たりにするのとは違うのだと思い知らされた気がした。

「日織さん、怖がらせてすみません」

 私の反応に修太郎さんが申し訳なさそうに頭を撫でていらして。

「でも……もしも叶うならば――」
 私は修太郎さんが「触って欲しい」とおっしゃるよりも先に、そこへおずおずと手を伸ばしていた。

「――ひ、日織、さんっ?」

 手に、すべすべとした温かい肌触りが伝わってきて、私はその手触りを意外に思った。
 その猛々しい見た目から、もっとゴツゴツとした無骨な感触を想像していたから。

「しゅ、修太郎さん。あの。わ、私、どうすれば……貴方を気持ちよく……できます……か?」

 自分でも物凄く恥ずかしいことを申し上げているという自覚はあって。でも、それよりも修太郎さんに感じて頂きたいと思ってしまった。

 聞きながら、手の中のモノを指で包み込んだら、修太郎さんが「……んっ」と小さく声をもらされた。

「あ、ご、ごめんなさいっ」

 触れたことのない、恐らく男性の身体で一番敏感な部分。どんな風に触って差し上げるのが良いのか力加減さえ分からない。「痛かったですか?」とお聞きしたら、修太郎さんは首を横にお振りになられてから、「僕の方こそ……変な声を出して……ごめんなさい」と潤んだ目で私を見ていらした。

(どうしようっ。修太郎さん、物凄く可愛いですっ)

 なんて、思ってしまったことは、口に出さない方がいい、よ、ね?
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