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*触れてみても構いませんか?

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 修太郎しゅうたろうさんは挙動不審になっていた私のあごを空いた方の手でとらえていらっしゃると、そっと唇を重ねられた。

 舌と舌がこすれ合う熱い感触が心地良くて……気がついたら私は夢中で修太郎さんのキスに応えていた。

 口付けがどんどん深くなったころ、修太郎さんは私の右手にご自身の手を重ねていらっしゃると、私の手ごとご自身を握り込むように掴んでいらした。

 それだけで、私の手の中の修太郎さんがさらに一層、硬く張り詰めたのが分かった。

 いつの間にかあごにかけられていた修太郎さんの手が、私の胸を服越しに包み込むように触れていらして、時折こすられる双丘そうきゅういただきにある敏感な部分への刺激に、私は目尻に薄らと涙が浮いてくるのを感じた。

 余りに気持ちいいと、泣いてしまうものなの?と熱に浮かされてぼんやりとした頭で思う。

 さっき、嬉しくて泣いたばかりなのに、今度は気持ち良くて泣いてしまうだなんて……私の涙腺は一体どうなってしまったんだろう。

 修太郎さんに触れられていること、修太郎さんに触れていること。そのどちらもが嬉しくて……心地良くて……。
 でもすごく恥ずかしくて。全身がほわほわとした浮遊感に包まれる。

「日織《ひおり》さん。お願い、僕を見て?」

 口付けをほどかれた修太郎さんにそう言われて、私は初めて自分が目を閉じてしまっていたことに気付かされた。

 われるままにゆっくりとまぶたを上げると、私と同じようにどこか潤んだ目をされた修太郎さんのお顔が見えて。

 私はその艶めいた表情に、ドキッとしてしまう。

(修太郎さんも、気持ちいいと感じてくださってる?)

 私が修太郎さんとの口付けや、彼から胸に触れられることで、頭の芯までぼぉーっとしてしまうような甘い痺れを感じているように、修太郎さんも?

 そう思ったら右手のなかの修太郎さんの分身が愛しくてたまらなくなる。修太郎さんの感じていらっしゃるお顔をもっと見たい……。

 恥ずかしいはずなのに、その気持ちがどんどん膨らんで。
 私はうっとりと彼の名を呼んだ。

「修太郎さん……」

 手の中の彼を優しく撫でると、修太郎さんが堪えるように熱い息を吐かれたのが分かって。

「お声、お聞きしたいです……」

 修太郎さんの肩に額を当てて、ポソリと小声でつぶやいたら、修太郎さんに力強くギュッと抱きしめられた。

「本当、貴女はどこまで僕を追い詰めていらっしゃれば……」

 溜め息まじりにそうおっしゃってから、私の右手をそっとご自身からお放しになられる。
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