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糖尿病とつき合う方法 2
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I型糖尿病を治療する
キャシーの糖尿病であるI型は,それほど一般的ではありませんが,II型に比べて非常に油断のならない病気です。I型の治療法は簡単なように思えます。インシュリンを補充するだけなのです。しかし,インシュリンの注射で糖尿病患者を生きながらえさせることができるとはいえ,体が必要とするインシュリンのレベルは分刻みで変動するので,その注射ではそうした変動についてゆくことができません。
失明や腎臓障害などの糖尿病の合併症を最小限に抑えるため,血液中と尿中の糖分を減らすのは重要なことです。体内のインシュリンの量は変動していますから,その正常で頻繁な変動に倣うことが必要です。しかし,問題となるのはどのようにそれを行なうかということです。治療は,(1)予防的管理,(2)インシュリンの補充,という二つの段階から成っています。
予防的管理に関しては,体が必要とするインシュリンの量の日々の変動を最小限に食い止めるため,処置を講じなければなりません。重要な要素は摂取する食物です。食物は消化器官によって血糖に変えられるからです。I型糖尿病にかかってはいても賢明な人々は,十分に規制された食餌を取らなければならないことをすぐに理解します。その食餌には,脂肪やたんぱく質,それに,より複雑な形の炭水化物が含まれます。この食餌に,糖分,蜂蜜,菓子パンの類,糖分を含んだ清涼飲料,およびそれらに類する甘い物を加えてはなりません。それらの炭水化物はすぐに血液中に流れ込みます。
このような食餌を一定の間隔を置いて体内に摂取しなければなりません。糖尿病患者が注意を怠り,いつでも気に入った物を食べてしまうなら,インシュリンと血糖のレベルはすぐに釣り合いを保てなくなってしまいます。そうなると人は急性の重い病気や,糖尿病による長期的な合併症にかかりやすくなります。
運動は血糖値を下げます。したがって良心的なI型糖尿病の患者は日課の中に運動を含めますが,運動をして血糖値が下がり過ぎた場合のために,糖分をすぐに補給できるもの(ハードキャンデーのようなもの)を手元に置くよう注意を払います。血糖値が下がり過ぎると糖尿病のショックに陥ることがあるのです。感情も血糖値を乱すことがあり,食事に関して十分に自制できない理由となるかもしれません。病気にかかったらすぐに手当てをしなければなりません。病気になると,血糖のレベルが大きく揺れ動くことがあるからです。
しかし,これらの要素をすべて考慮しても,キャシーのようなI型糖尿病の患者は血糖値を安定させる点でやはり問題に直面するかもしれません。そのような場合はどうしたらよいでしょうか。
治療の主要な面の二つ目は,インシュリン注射の使用です。インシュリンは60年余り前に開発された時,多くの糖尿病患者の命を救いました。後日,1日に1回注射をする方法が開発され,それも当初,非常に便利なものとして受け入れられました。
毎日の注射は便利なものですが,動脈硬化のような長期的な合併症を懸念する声も幾らか聞かれます。したがって,確実に血糖値をコントロールするため,1日のうちに速効性のインシュリンをもっと頻繁に注射することを勧める人もいます。最近の幾ばくの進歩により,これが可能であるばかりか,実際的であることが分かりました。
家庭で血糖値を測定できるようになったことは,「インシュリンの発見以来,治療における真に重要な最初の進歩」と称されてきました。糖尿病患者は簡単な携帯用の機械を用い,1日に数度,血糖値を調べることができます。そうすれば,インシュリンの投与量を頻繁に調整でき,血糖のレベルを一定の正常な値に近づけることができます。
家庭で血糖値を測定することの一つのマイナスは,糖尿病患者が血液検査のため指に針を刺さなければならないことです。しかし,専用の刺らく針があり,その方法を試みた人々は,実際にはそれほど悪くないと述べています。もう一つのマイナスは,機械の価格です。しかし,技術が改善されるにつれ値段も下がるはずです。
進歩の見られた別の点としては,安価で使い捨てができる極めて鋭いインシュリン針の開発があります。この針のおかげでインシュリンの注射があまり痛くなくなりました。また,今日入手できるインシュリンは冷蔵する必要がありません。そのため,運ぶ場合にも極端に不便な状況を避けることができます。
現在では人間のインシュリンと同質のインシュリンが出回っており,I型糖尿病の新しい患者に勧められることがよくあります。新しい製品としてはほかにも,針のない加圧されたインシュリン注射器やインシュリン注入ポンプがあります。このポンプは携帯用のインシュリン注射器で,患者がベルトに着用します。そして,針を通して腹腔に一定量のインシュリンを注入します。注入ポンプは現在用いられていますが,多くの医師たちは,幾分危険が伴うので,専門家の監督のもとでのみ用いられるべきであると考えています。
I型糖尿病の子供たちに関しては,食事にあまり気を遣わないのが最近の傾向です。子供たちは比較的普通の食事を取り,それから必要な量だけインシュリンを補充することができると考える人もいます。もちろん,そのような子供たちも甘い物をたくさん食べるべきではありません。そのような子供たちが比較的普通の生活を送れる本当の理由は,血糖値をこまめに調べ,頻繁にインシュリンの調整をすることにあるようです。
目ざめよ! 1985より引用
毎日、インシュリンをうつとか
大変そうですね。
子どもの糖尿病患者もいるんですね。
キャシーの糖尿病であるI型は,それほど一般的ではありませんが,II型に比べて非常に油断のならない病気です。I型の治療法は簡単なように思えます。インシュリンを補充するだけなのです。しかし,インシュリンの注射で糖尿病患者を生きながらえさせることができるとはいえ,体が必要とするインシュリンのレベルは分刻みで変動するので,その注射ではそうした変動についてゆくことができません。
失明や腎臓障害などの糖尿病の合併症を最小限に抑えるため,血液中と尿中の糖分を減らすのは重要なことです。体内のインシュリンの量は変動していますから,その正常で頻繁な変動に倣うことが必要です。しかし,問題となるのはどのようにそれを行なうかということです。治療は,(1)予防的管理,(2)インシュリンの補充,という二つの段階から成っています。
予防的管理に関しては,体が必要とするインシュリンの量の日々の変動を最小限に食い止めるため,処置を講じなければなりません。重要な要素は摂取する食物です。食物は消化器官によって血糖に変えられるからです。I型糖尿病にかかってはいても賢明な人々は,十分に規制された食餌を取らなければならないことをすぐに理解します。その食餌には,脂肪やたんぱく質,それに,より複雑な形の炭水化物が含まれます。この食餌に,糖分,蜂蜜,菓子パンの類,糖分を含んだ清涼飲料,およびそれらに類する甘い物を加えてはなりません。それらの炭水化物はすぐに血液中に流れ込みます。
このような食餌を一定の間隔を置いて体内に摂取しなければなりません。糖尿病患者が注意を怠り,いつでも気に入った物を食べてしまうなら,インシュリンと血糖のレベルはすぐに釣り合いを保てなくなってしまいます。そうなると人は急性の重い病気や,糖尿病による長期的な合併症にかかりやすくなります。
運動は血糖値を下げます。したがって良心的なI型糖尿病の患者は日課の中に運動を含めますが,運動をして血糖値が下がり過ぎた場合のために,糖分をすぐに補給できるもの(ハードキャンデーのようなもの)を手元に置くよう注意を払います。血糖値が下がり過ぎると糖尿病のショックに陥ることがあるのです。感情も血糖値を乱すことがあり,食事に関して十分に自制できない理由となるかもしれません。病気にかかったらすぐに手当てをしなければなりません。病気になると,血糖のレベルが大きく揺れ動くことがあるからです。
しかし,これらの要素をすべて考慮しても,キャシーのようなI型糖尿病の患者は血糖値を安定させる点でやはり問題に直面するかもしれません。そのような場合はどうしたらよいでしょうか。
治療の主要な面の二つ目は,インシュリン注射の使用です。インシュリンは60年余り前に開発された時,多くの糖尿病患者の命を救いました。後日,1日に1回注射をする方法が開発され,それも当初,非常に便利なものとして受け入れられました。
毎日の注射は便利なものですが,動脈硬化のような長期的な合併症を懸念する声も幾らか聞かれます。したがって,確実に血糖値をコントロールするため,1日のうちに速効性のインシュリンをもっと頻繁に注射することを勧める人もいます。最近の幾ばくの進歩により,これが可能であるばかりか,実際的であることが分かりました。
家庭で血糖値を測定できるようになったことは,「インシュリンの発見以来,治療における真に重要な最初の進歩」と称されてきました。糖尿病患者は簡単な携帯用の機械を用い,1日に数度,血糖値を調べることができます。そうすれば,インシュリンの投与量を頻繁に調整でき,血糖のレベルを一定の正常な値に近づけることができます。
家庭で血糖値を測定することの一つのマイナスは,糖尿病患者が血液検査のため指に針を刺さなければならないことです。しかし,専用の刺らく針があり,その方法を試みた人々は,実際にはそれほど悪くないと述べています。もう一つのマイナスは,機械の価格です。しかし,技術が改善されるにつれ値段も下がるはずです。
進歩の見られた別の点としては,安価で使い捨てができる極めて鋭いインシュリン針の開発があります。この針のおかげでインシュリンの注射があまり痛くなくなりました。また,今日入手できるインシュリンは冷蔵する必要がありません。そのため,運ぶ場合にも極端に不便な状況を避けることができます。
現在では人間のインシュリンと同質のインシュリンが出回っており,I型糖尿病の新しい患者に勧められることがよくあります。新しい製品としてはほかにも,針のない加圧されたインシュリン注射器やインシュリン注入ポンプがあります。このポンプは携帯用のインシュリン注射器で,患者がベルトに着用します。そして,針を通して腹腔に一定量のインシュリンを注入します。注入ポンプは現在用いられていますが,多くの医師たちは,幾分危険が伴うので,専門家の監督のもとでのみ用いられるべきであると考えています。
I型糖尿病の子供たちに関しては,食事にあまり気を遣わないのが最近の傾向です。子供たちは比較的普通の食事を取り,それから必要な量だけインシュリンを補充することができると考える人もいます。もちろん,そのような子供たちも甘い物をたくさん食べるべきではありません。そのような子供たちが比較的普通の生活を送れる本当の理由は,血糖値をこまめに調べ,頻繁にインシュリンの調整をすることにあるようです。
目ざめよ! 1985より引用
毎日、インシュリンをうつとか
大変そうですね。
子どもの糖尿病患者もいるんですね。
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